
シリア、アンマン/カータニヤ:シリア北西、トルコが支援する反体制派支配地域であるアフリーンの賑やかな市場で木曜日、自動車に仕掛けられた爆弾が爆発。目撃者や救援者によると少なくとも8人が死亡した。
また、少なくとも30人が負傷しているという。
アフリーンは、町の大多数をクルド人が占め、クルド人民防衛隊(YPG)が防衛していた。そこへ2018年3月、トルコ軍とそれを支援するシリアの反体制派が大規模な攻撃を仕掛け、町の支配権を奪った。
その後トルコ軍は、シリア国内の北部に、国境のほぼ全体に沿って安全地帯を設定した。
ソーシャルメディアに投稿された動画を見ると、市場は広範囲にわたって損壊し、火の手が上がっている場所もあった。ロイター通信は、動画が本物であるかどうかすぐに確認できなかった。
トルコ支援の勢力が支配するトルコとの国境近くでは、主にアラブ人口が多い民間人密集地域で、同じような自動車爆破が頻繁に発生している。
アフリーンの住民と反体制派は、YPGの犯行と主張している。
YPG側は、トルコ軍へのゲリラキャンペーンを展開しているとしながらも、民間人を標的にすることはないとして、これを否定した。
一方、今月ワシントンによる軍の撤退後初めて、木曜日に米軍がトルコとシリアの国境の一部をパトロールしたと、AFP通信が報じた。
AFPの記者によると、トルコとの合意の一部としてシリア政権軍の派遣が予測されていたカータニヤ北部の前線地帯を、米国の旗を掲げた5台の武装車両がパトロールした。
長年にわたるダーイシュグループとの戦いで米軍に味方していたシリア民主軍のクルド人兵士も、パトロールに加わった。
ワシントンが10月6日に撤退を発表するまで、米軍はカータニヤの北にある同国境地域をパトロールしていた。
英国を拠点とするシリア人権監視団によると、ここは米軍が駐留を検討している東部前線の一部であるという。
団体の代表を務めるラミ・アブドゥル・ラーマン氏は、「米国は、カーミシュリーの東にある国境の一部へロシアとシリア政権が到達するのを防ぎたいのです」と解説する。カーミシュリーは、シリアに住むクルド少数派の事実上の首都になっている。
パトロールは、隣国イラクからシリアへの最近の米援軍到着後に実施された。これは、ドナルド・トランプ米大統領の撤退命令を覆すものとみられている。
米軍関係者によると、ダーイシュやその他のグループがデリゾール県の油田へアクセスするのを防ぐため、ワシントンはシリア民主軍と協力して追加の軍隊を派遣し、同地域での警備を強化し始めているという。
トルコ軍とそれに協力するシリアの勢力は、安全地帯を設置する目的で、10月9日にシリア北東部のクルド人勢力へ対して攻撃を仕掛けた。
その結果数百人が死亡し、数万人が難民となった。これを受けてトルコとロシアは、ロシア黒海のリゾート地ソチで首脳会談を行った。
そこで調印された合意により、トルコは国境中央の120キロにおよぶ地域を管理し、シリア政府軍はその東と西を管理することになった。
国境全体に沿って、シリア側に幅10キロの安全地帯が設けられ、ロシア軍とトルコ軍が共同でパトロールする。
ロイター / AFP