• ハリーリー氏、街から撤退するようSNSで支持者に呼びかけ

ナジア・フサーリ

ベイルート：悪化する経済状況に対する抗議が広がってから2週間、怒りに満ちたレバノンの若者が平和的な蜂起の炎を燃やし続けた。彼らの抗議活動は、ミシェル・アウン大統領の就任3周年と時を同じくして起きている。

デモ隊は行政の仕事の妨害や、首都へ通じる幹線道路の夜間封鎖に活動の狙いを定めている。

彼らは砂の山を築いて道路を封鎖したが、軍の要求に従って取り除いた。抗議隊は公共機関へ向かい、職場から従業員を追い出した。レバノン中央銀行の前で新たな座り込みが起き、人々はリアド・サラメ総裁の金融政策を批判するスローガンを唱えた。

10月29日に辞任したサアド・ハリーリー首相の後任を指名するための議会との調整日の決定をアウン大統領が遅らせたことで、デモ隊の怒りが増幅した。

31日夜の演説で、大統領は「必要な法制を通じた汚職との戦いを継続し、生産的な経済を推進」することを誓った。

若い活動家への呼びかけの中では、「現代的な市民国家をつくり、派閥闘争から脱却するためにあらゆる努力をする」と約束した。

ゴミ容器の前で、大統領を非難するスローガンを叫びながら本人の大きな写真を燃やしている若い抗議隊の写真がSNSでシェアされた。

「未来運動」の支持者も街へ繰り出した。ベイルートのタリク・アル・ジディド地区の支持者の1人はアラブニュースに対し、「私たちは権力の座にいる全員の辞任を求めているが、ハリーリーに代償を支払ってもらえればそれでいい」と語った。

ハリーリー氏は、SNSを通じて支持者に街から撤退するよう呼びかけた。30日には数百人の支持者がベイルートの街中にバイクで繰り出し、夜通し抗議を行った。ハリーリー氏の支持者が多数派を占める他の勢力はベイルート郊外の道路を封鎖したが、レバノン軍が再度開通させた。

ベイルートの教育施設は、辞任したアクラム・シュハイブ教育相が学校や大学を再開する決定を撤回した後、閉鎖されたままだ。

しかし中心部の抗議活動から離れた場所、特にアマルやヒズボラ、自由愛国運動の支持者が多数いる地区では、通常通りの生活をほぼ取り戻している。

フランス大使館はジャン=イヴ・ル・ドリアン外相の声明を発表した。その中で外相は「10月29日のハリーリー氏の辞任後、レバノンに必要な改革を実行できる政府を即座に発足させることがこの国の未来にとって必要だ」と強調した。

彼はまた、レバノンのすべての政治指導者に対し「安定と安全、国の公益を守るために国家の連帯および責任の精神を広め、挑発や暴力を避けるあらゆる努力を行い、市民が平和的な抗議を行う権利を守る必要性」を求めた。

「レバノン軍団」はデモ隊の要求に従い、テクノクラート政権樹立への支持を表明した。「対立的な政府では国を運営できないし、国際社会とも向き合えないだろう。テクノクラート政府を確立しないならば、レバノンはイランの枢軸に向かい、計り知れない世界へ突入することになる」。辞任したマイ・シドヤーク大臣はそう語った。

リチャード・クユムジャーン社会問題相は以下のように述べた。「ハリーリー氏は広く世界の信頼を得ており、世界銀行や国際的な金融機関の信任も得ているため、私たちは彼を再度首相として指名することに反対しない」

野党ファランへ党は中立政府を要求し、サーミー・ジェマイエル党首は以下のようにツイートしている。「政治停滞が続き、国は休暇中であるかのようだ。レバノンが遅くとも11月4日に中立政府を確立できるよう、議会の調整は本日開始されなければならない。私たちはこのような遅れを容認しない」