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パニックによる買い占めとロックダウンが世界的な食物価格上昇を引き起こす可能性

22 Mar 2020
ドイツのハナウの週市はコロナウイルスのパンデミックによるロックダウン中で静寂に包まれている。(ロイター)
ドイツのハナウの週市はコロナウイルスのパンデミックによるロックダウン中で静寂に包まれている。(ロイター)
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Updated 22 Mar 2020
22 Mar 2020
  • 在庫が十分だとしても、適切な時と場所になければならない

シンガポール:コロナウイルスのパンデミックを原因とするロックダウンとパニックによる食物買い占めによって世界的な食物価格上昇が引き起こされかねない。たとえ主要な輸出国に主な穀物やナッツ類の在庫が豊富にあるとしてもその可能性はあると、FAOの上級エコノミストや農業アナリストらは述べている。

270,000人以上の感染者と11,000人以上の死者を出しているコロナウイルスの流行は世界を呆然とさせており、この状況は第2次世界大戦や1918年のスペイン風邪のパンデミックなどの時期と比較されている。

「パニックによって製粉業者などの重要な大手輸入業者や政府からの買い占めが起きるだけで、危機に繋がります」と国連の食糧農業機関(FAO)のアブドルレザ・アッバシアン主任経済学者は述べている。

「これは供給量の問題ではありません。むしろ食の安心に関わる行動の変化によるものです」とアッバシアン氏はFAOの本部があるローマから電話を通じてロイターに語った。「もしも大口の購入者が5月か6月に小麦や米を出荷できないと考えたとするとどうなるか? それこそが地球規模の食品供給危機を引き起こす可能性があります」

シンガポールや米国などの世界中の消費者はこの数週間スーパーマーケットに行列を作って米から手の消毒薬からトイレットペーパーに至るまでのさまざまな商品を買い込んでいる。

世界的な指標となるシカゴの小麦先物価格は今週6%以上も上昇しており、過去9ヶ月で週としては最大の上昇幅となっている。同時に世界第2の穀物輸出国であるタイの米の価格は2013年8月以来の最高値まで上昇している。

フランスの穀物産業では工場や港の稼働を続けるために必要な取引と従業員の確保を争っている。パスタや小麦のパニックによる買い占めが小麦輸出額の急増と同時に発生しているためだ。

一部のEU諸国がパンデミックへの対応として他の加盟国との国境に課している規制もまた食料供給に混乱を引き起こしていると、業界と農場経営者の代理人は述べている。

だが米国の農務省(USDA)の推計によると、6月の収穫年度末時点の世界の小麦備蓄量は昨年の2億7757万トンから増加して、2億8714万トンにのぼると予測されている。

世界の米備蓄量は昨年の1億7530万トンに対して、1億8230万トンになると予測されている。

物流が主要な世界問題になりうるとアナリストらは述べている。

「米国にはエタノール用の約1億4000万トンのトウモロコシがあり、その一部は石油価格の減少を考慮すると、燃料の需要が無いため食品に利用することができます」と仲介業者IKON Commoditiesの顧問サービス責任者であるオレ・フーエは述べている。

「問題は適切な時と場所に食品を届けることです」

市場に不透明感が立ちはだかる中で、今週アジアのバイヤーの動きは鈍かった。

「需要については不確かです。6月や7月にはどうなるのでしょうか?」と東南アジア全体に事業を展開する小麦製粉業者のシンガポールに拠点を置く購入責任者の1人は述べている。「レストラン事業は沈んでおり、その結果として需要は現在やや緩やかになっています」

アジア最大の輸入国であるインドネシアなどのアジアの小麦輸入国は世界的な供給過多の中で、黒海地域からの貨物の大部分を取り込んでいる。

穀物輸入国でもある中東の産油国は、今年原油価格が60%以上失われる中で、より大きな財政的苦痛を感じているだろう。

「石油価格と通貨の下落によって、産油国の穀物購買力は低下しています」とFAOのアッバシアンは述べている。

「経済を刺激するための政策的な措置を講じるための能力も低下するでしょう」

ロイター

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