
エフレム・コサイファイ
ニューヨーク: ジブラーン・バシールは、マグニツキー法(汚職と人権侵害を罰する法律)による制裁の対象となった最初のレバノンの政治家かもしれないが、制裁は彼一人には留まらないだろう。
米国の当局者(匿名希望)によると、他の23人のレバノンの政治家や個人もブラックリストに載っているそうだ。
2か月前国務省は、バシールに加えてリストに指名された者に連絡を取り、行動を変えなければ制裁を受けて孤立することになる、という最後通告を行った。
4人はなんとかリストから外れたが、他の19人は「米国政府を避けるか、取引を申し出るか、あるいは裏をかくことで」要求を回避しようとしたと、当局者はアラブニュースに語った。
バシールと緊密な関係を持っている人の中には、容赦なく「バシールを裏切り、責任を逃れようとする者もいたが、そうはいかなかった」ようだ。
しかし当局者は、「レバノンの政治家は決して喜んではいないはずです。ブラックリストに載ったうちの何人かは、サード・ハリリ(レバノンの首相)にも近い人々です。ですから、誰もバシールの不幸を喜ばしく思いません。多くのレバノンの政治家とその仲間がバシールと同じ事になります。すべての汚職に制裁が下るでしょう。」と警告した。
国務省は10日前に再びバシールに連絡し、彼に対しヒズボラから公に距離を置くように求めたと、当局者は付け加えた。
自由愛国運動のリーダーで政府形成努力の中心でもあるバシールは、アメリカ人らを説得しようとした。イスラエルとレバノンの間の海上国境交渉を進める上で彼が果たした重要な役割について主張し、ヒズボラとの彼の同盟は、他の方法では得られなかった利益をもたらすことができた、と語った。
しかし、アメリカ人たちは全く取り合わなかっただろう。それは制裁が執行される前に彼らから聞いた最後のバシールの言葉だった。
金曜日、バシールはTwitterで、自分は制裁を「恐れて」おらず、約束に「唆されて」いないと述べた。
9月、米国は、ヒズボラに物的支援を提供し政府の腐敗に関与したとして、2人の元レバノン政府大臣であるハッサン・ハリルとユセフ・フェニアノスをブラックリストに載せた。