• アビー・アハメド首相は水曜日に発表した北部地域に対する軍事作戦を推し進めている
• 金曜日、彼はティグレ地域への空襲を続けると言明した

アジスアベバ：エチオピアのティグレ地域で激化する紛争から900万人が難民となる危険性があると国連は述べ、連邦政府の非常事態宣言が食糧やその他の援助を届けることを妨げていると警告した。

アビー・アハメド首相は、ティグレ人民解放戦線（TPLF）との対話を求めるという国際的な要請にもかかわらず、水曜日に発表した北部地域に対する軍事作戦を推し進めている。ティグレ人民解放戦線（TPLF）は、2018年にアハメド首相が就任するまで、同国の多民族支配連合を主導していた。

金曜日、アハメド首相はティグレへの空爆を継続すると厳命していた。当初の空襲は武器庫と軍事施設を標的としていたが、アハメド首相は民間人に対し、「巻き添え被害」に遭わないよう、集団による集会を避けるよう警告し、さらに懸念を高めている。

国連人道問題調整事務所（OCHA）は土曜日に発表された報告書で、ティグレの約60万人が生存を食糧援助に依存し、さらに100万人が他の様々な形態の支援を受けているが、そうした活動の全てが中断を余儀なくされていると述べた。

報告書によると、連邦軍とティグレ人民解放戦線（TPLF）との間の衝突は、ティグレ州地域の8か所で起こっている。

人道筋が日曜日にロイター通信に語ったところでは、ティグレとアムハラ地域の州境近くでの戦闘で、6人の戦闘員が死亡し、60人以上が負傷している。双方が死傷者を出し、負傷者の一部はゴンダール市街地内及びその周辺の病院に運び込まれていると情報筋は述べた。

国連の報告書によると、東アフリカでのサバクトビバッタの大繁殖はティグレ州に特に大きな打撃を与えており、今回の紛争でバッタの大群と戦う努力が中断され、作物への被害が更に拡大することが危惧されている。

アビー・アハメド首相は、近隣のエリトリアとの和平に尽力したことで、昨年ノーベル平和賞を受賞している。ノーベル平和賞の名誉を受け入れた際には、アハメド首相は戦争を「地獄の縮図」と呼び、10万人以上の生命が失われた1998年から2000年の戦争の際に、最前線で闘った自らの経験を語っている。

アハメド首相は土曜日、ツイッターで、軍事作戦は「あまりにも長い間責任を問われること無く放置されてきた罪を問うことを目的としている」と述べ、アハメドが首相就任前の旧政権を主導した少数民族ティグレの政治責任について言及した。首相就任後、アビー・アハメドと彼の以前の同盟者との間の敵意は着実に高まってきている。

ティグレの人々は、汚職の取り締まりでティグレ人民解放戦線（TPLF）から数十人の元上級軍事および政治当局者の逮捕を命じた最大民族オロモ出身のアハメド首相の下での迫害について不満を述べている。昨年、アハメドは与党連合を単一の政党に再編成したが、ティグレ人民解放戦線（TPLF）は参加を拒否している。

調停オファー

多くの専門家、外交官は、1億1,000万人の人口を抱え、戦略的なアフリカの角と呼ばれる地域に位置する国の内政が不安定化し、内戦状態に発展する可能性について警鐘を鳴らしている。

連邦軍の最大の司令部とその重火器の大部分は、ティグレ州に置かれている。最大のリスクの1つは、軍隊が民族別に分裂し、ティグレ人がその地域の民族軍に逃れることである。アナリストによると、すでにそれが起こっている兆候がある。

専門家によると、ティグレ人民解放戦線（TPLF）は最大250,000人の兵士を擁し、軍用装備品も独自に大量の在庫を抱えている。

「エチオピアの分裂は、近代史上最大の国家崩壊につながるだろう」と、元米国外交官のグループは木曜日に米平和研究所が発表した声明の中で述べている。紛争の激化はまた、アハメド首相が約束した民主的改革の僅かながらでも残っている希望の抹殺につながるとも声明では指摘している。

アハメド首相は土曜日、「調停を申し出た」国連事務総長アントニオ・グテーレスと話している。広報担当者によると、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は土曜日、アフリカ連合のムーサ・ファキ・マハマト委員長と政府間開発機構（IGAD）の議長としての立場にあるスーダンのアブダラ・ハムドック首相とも談話している。

しかし、アハメド首相は調停の要請に耳を傾けていない、と当該地域の外交官と治安当局者はロイターに語った。アハメド首相は国連のアントニオ・グテーレス事務総長からの呼びかけについても、何らの声明を発表していない。

エチオピアの議会は土曜日、現在のティグレ州政府との関係を断絶する決議を採択している。これは、アハメド首相の連邦政府の方針に反抗してティグレ人民解放戦線（TPLF）が強行した選挙で9月に選出された政権の正当性を否定するステップの1つである。