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米の仲介後、レバノンがイスラエルとの海上国境問題で最終意見を提出へ

10月2日、イスラエルはレバノンとの海上国境紛争を解決するためのアメリカの提案を称えた。公式には戦争状態にある二国間の合意へ向け、一層の弾みがついた。(AFP)
10月2日、イスラエルはレバノンとの海上国境紛争を解決するためのアメリカの提案を称えた。公式には戦争状態にある二国間の合意へ向け、一層の弾みがついた。(AFP)
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04 Oct 2022 06:10:10 GMT9
04 Oct 2022 06:10:10 GMT9
  • 専門家チームが大統領のために、英語で書かれた提案の翻訳に当たった

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノン当局者たちはイスラエルとの洋上国境問題に関して、アメリカによる仲介で交渉を進める中で、立場を一つにしている。ミシェル・アウン大統領は月曜日、数日以内に最終的回答を提出すると表明した。

しかしながら、イスラエルとの国交正常化につながるという危惧を避けるために、首相はイスラエルとの間で直接協定を結ぶことはしないと述べた。

アウン大統領はさらに、「南方海上の境界線の確定に関して、レバノンが望む条件等は、すべてアメリカの仲介担当アモス・ホッホステイン氏の提案に含まれており、当方から氏に意見を提出する予定だ」と語った。

暫定首相ナジーブ・ミカティ氏は月曜日、アウン氏および議会議長ナビーフ・ベリ氏との会談の後で、自分には「国境問題に関していくつかの意見があり、専門委員会にはこれを十分に考慮してもらった」と述べ、「明日、アメリカの仲介担当に回答を送る」と付け加えた。

ミカティ氏によれば、「海上の国境確定の手続きに関しては、順調に進んでおり、レバノンの立場は一つにまとまっている」

アウン氏は南方海上の国境問題に関するホッホステイン氏からの書面の提案を検討する専門協議会の議長を務め、その後専門の協議会チームも交えてベリとミカティ両氏との会合に臨んだ。

ベリ氏によると、「我々の立場は一つで、結果は非常に満足のいくものだった」。さらに、アメリカによる提案はレバノンの要求を考慮に入れたものだったという。

交渉開始当初からアメリカの仲介担当との折衝を指揮してきた議会の副議長、エリアス・ブー・サアブ氏は次のように述べた。「遅くとも明日には、ホッホステイン氏に意見を提出する予定です。準備作業は速やかに進んでいます」

ブー・サアブ氏はさらに、「我々が提出したのは意見であって、回答ではありませんが、基本的な見解のずれは最小限にとどまっています」とも語った。

同氏によると、「レバノンはカナ油田の完全な権利を得ます。我々の出した意見は合法的で、権利者の立場からして理にかなったものです。取り決め通りにこの意見が採用されれば、数日以内に合意が成立し、問題となっている地域の領有は確定されるでしょう。イスラエルを敵とは見なしていませんが、いかなる協定や協約にイスラエルと共同で署名することもありません。アメリカの仲介担当者はこの点を進んで尊重し、合意成立のための準備が整いました」

「イスラエルの敵対勢力は、レバノンの力を知っています。両国間の協議は、統一されたレバノンの立場に加えて、『軍、人民、抵抗勢力』の方程式に由来する力のバランスにもとづいて行われています」

アメリカの提案に対する最初の反応として、ヒズボラは議会での派閥の長、ムハンマド・ラアド氏を通じて「レバノンの権利が損なわれないよう注視する」と表明し、加えて「国境が確定してもイスラエルとの紛争は続く」とした。

先週土曜日、アメリカのドロシー・シア駐レバノン大使は仲介担当者の提案をレバノン大統領と首相、議会議長に手渡した。両国がこれに意見を加えて、交渉の次の段階に進めるよう、この提案はイスラエル側にも提示された。

草案と進行中の交渉の内容に通じた人々によると、合意案はレバノンとイスラエルの諸団体の間の調停を目指している。23度線を基準に係争中の海域を分割するとともに、洋上の境界画定の基準となる陸上の地点に関する議論を先送りし、交渉が陸上の国境問題へと発展することを避けた形だ。

専門家チームが大統領と首相、議会議長のために、英語で書かれた提案を翻訳し、同時に文面、数字、添付された座標の徹底的検証が行われた。

交渉内容に明るい情報筋によると、「国交正常化に関する原則に抵触しないよう、レバノンは合意された調停案について、イスラエルとの間に直接の協定を結ぶことはなく、合意の内容が法典化のために議会に送られることもないだろう」

この情報源によると、「さらに、合意は閣議で承認されることもないだろう。代わりに、レバノンが洋上国境の確定を承認するという文言を含む、国内のいくつかの団体による書簡を国連に提出することになる」

「イスラエルが同様の手続きを行えば、合意内容は国際法に採用されるようになる」

アメリカによる草案の2部のコピーに、UNIFIL本部があるナコウラで別々に署名がされる見込みである。1部にはレバノン、もう1部にはイスラエルが、正常化をめぐる懸念を避けるために署名する。

イスラエルの深刻な政治的分断のために、アメリカの提案の内容が流出することになった。イスラエルは11月1日に議会選挙を控えている。情報のリークは、カナ油田で新たに天然ガスの埋蔵が確認された場合の補償や保安措置についての議論を反映している。

次の木曜日に、イスラエルでは草案を承認し、レバノンの立場を考慮した上でアメリカ側に回答するために閣議が開かれる。

アメリカ国務省は、ホッホステイン氏が「交渉妥結まで全力で取り組む」と表明した。

アメリカ国務省はさらに、「我々はレバノン・イスラエル間の海上国境確定の最終合意についてのアメリカの提案を提示し、両者が問題解決に向けた協議の精神を発揮することを歓迎する」とした。

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