
アラブニュース
ドバイUAEの大手医療機関は、糖尿病患者が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を克服するのに役立つ英国を拠点とする薬物試験に貢献していることを明らかにした。
ムバダラ・ヘルスケアは、英国の医薬品・医療製品規制庁が承認した免疫抑制剤の試験に一部資金を提供している。
アルカディアとして知られるこの試験は、前臨床研究の後に承認された。これは特定の酵素が「血糖値が上昇した糖尿病患者において通常急性に起こる過剰な免疫反応を抑制することにより、COVID-19を有する糖尿病患者を助ける可能性がある」ことを示唆している、とムバダラ・ヘルスケアは声明の中で述べている。
この試験は9月29日から始まり、COVID-19の症状が軽度から中等度の入院患者が対象となった。
.@Mubadala Healthcare is part-funding the trial of an immune-dampening drug in the UK that will help patients with diabetes overcome the effects of COVID-19. The move helps to strengthen #AbuDhabi and the UAE’s leading role in the global fight against COVID-19. pic.twitter.com/KD0emZW2cU
— مكتب أبوظبي الإعلامي (@ADMediaOffice) November 8, 2020
「私たちの国には100万人以上の糖尿病患者がおり、このグループはCOVID-19の影響に対して特に脆弱であることが確認されています」とムバダラ・ヘルスケアのCEOであるアブドゥラ・アブドゥル・アジズ・アル・シャムジ氏は述べている。
同氏は、今回の投資は、「UAEの政府と国民がこの病気の影響を緩和し、このパンデミックの解決につながる自国や国際的な取り組みを支援するために必要な資源を提供することを可能にするため」、ムバダラ・ヘルスケアが行っている多くの投資のうちの1つであると付け加えた。
同社は、エクスカリバー・メディシンズ株式会社 (EML)、複数の民間パートナー、英国政府と共同で研究助成に貢献している。
この化合物自体は、もともと英国・スウェーデンの製薬グループであるアストラゼネカ株式会社が別の目的で開発したものであるが、生物医学研究の慈善団体であるセント・ジョージ・ストリート・キャピタル社(SGS)が実施した研究では、糖尿病の人を助ける可能性があることが分かった。
EMLの創設者であるクリス・エヴァンス卿は、次のように述べている。「ムバダラ・ヘルスケアと他のパートナーからの資金提供により、この研究を迅速に進めることができます。」さらに同氏は、「今後の死亡者数の水準に大きな影響を与えることが予想されます」と付け加えた。
「私たちはしばらくはこのウイルスと共に 生きていくことになるでしょうから、このような治療が重要になるかもしれません。」
SGSのCEOであるデビッド・タポルゼイ氏は、次のように語った。「現在の危機を考慮して、当社は現在の研究プログラムをすべて停止し、この臨床試験に全面的に集中し、この生命を救う可能性のある新薬を評価しています。」
この試験が成功すれば、この化合物は、最終的にはCOVID-19の初期症状を示す糖尿病患者のために医師や内科医によって処方されることが可能性となる。