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前国連事務総長、イラン問題が抱える「危険」を警告し、アブラハム合意を称賛

次期事務総長に指名され、米国ニューヨークの国連総会で演説後、潘基文国連事務総長に挨拶する、ポルトガルのアントニオ・グテーレス(左)、米国ニューヨーク、2016年10月13日。(ロイター)
次期事務総長に指名され、米国ニューヨークの国連総会で演説後、潘基文国連事務総長に挨拶する、ポルトガルのアントニオ・グテーレス(左)、米国ニューヨーク、2016年10月13日。(ロイター)
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18 Nov 2020 09:11:48 GMT9
18 Nov 2020 09:11:48 GMT9
  • アラブ首長国連邦の国務大臣:イスラエルとの和平協定は、他の中東紛争の解決に役立つ可能性がある
  • 英国のユダヤ教の宗教的指導者:合意は、「人生で最も重要な出来事の中に入る」

ベネディクト・スペンス

ロンドン:イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの間で最近署名されたアブラハム合意は、中東で起きている様々な紛争を解決するための道筋を示すものとして役立つ可能性がある、とエミレーツ協会が主催し、アラブニュースが参加した議論でパネリストが述べた。

英国のユダヤ教の宗教的指導者であるエフライム・マービスは、アブラハム合意は「人生で最も重要な出来事のひとつ」であると述べている。

エフライム・マービス以外のパネリストとしては、アラブ首長国連邦(UAE)の国際協力担当国務大臣リーム・エブラヒム・アル・ハシミと元国連事務総長の潘基文が参加した。

潘基文は、2019年の変わり目における、イランの核合意としても知られる包括的共同行動計画(JCPOA)をめぐる混乱をきっかけに、この地域は新たな紛争の危機に瀕していたと述べた。

潘基文によれば、対話の失敗が、イランが包括的共同行動計画(JCPOA)の条件で許可されている量の10倍の濃縮ウランを備蓄する状況を同時に招いている。

一方、イラクにおいては、2020年1月3日に起きたイラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官暗殺を行ったワシントンに対す報復として、イラン側勢力によってバグダッドの米国大使館が攻撃されている。

潘基文は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界は紛争の拡大を一時的に免れている状況にあるに過ぎないと主張する。

イランとの「危険な」状況を依然として「深く懸念」し、憂慮すべきであるが、アブラハム合意がこの地域における対立に一石を投じ、対話推進を求める風潮を作り出すのに役に立っている、とも潘基文は述べている。

「私は、他の中東諸国が核不拡散条約の下でのコミットメントを意図的に忘却し、イランと横並びで独自の核兵器プログラムの開発を検討し始めることを懸念していました」と潘基文は述べる。

「この点で、学ぶべき重要な教訓があると思います。私たちは…多国間主義に新しい命を吹き込み、これを持続的に高めていく努力を続けなければなりません。私はアブラハム合意を、最近の外交的勝利と見ています。そしてこの勢いが他国間の他の分野にまで波及し、外交的解決策を求める動きが活発化することを心から望んでいます」と、潘基文は付け加えて述べた。

「イスラエル・パレスチナ問題、イランの核開発計画、シリアでの紛争、イエメンでの戦争と人道的危機。これらすべての地域問題は、多国間主義から醸成される平和的で外交的な方策によってのみ解決できるでしょう」

アル・ハシミは、アブラハム合意は、中東地域が抱える無数の対立の方向性を変える機会となり、特にイスラエルとパレスチナ間の問題解決に資することが、この合意に調印した重要な意味合いを持つと述べた。

「アラブ首長国連邦(UAE)は、膠着している状況の打開を図るために、これまで検討されていない新しく、異なる方法を模索していました。今回の合意交渉の中で、ユダヤ人入植地の併合を一時停止することが約束されたことで、私たちはイスラエルとの交渉を先に進めることができ、また合意の中で、引き続きパレスチナ国家創設の重要性を維持できると確信できたことを受けて承認しています。また、今回の合意は、今後のイスラエル、パレスチナ間の対話の如何なる障害ともならないとも信じています」と、彼女は述べた。

「私は、これまでとは全く異なる中東の構築とその進化に取り組みたいと考えています。アラブとイスラム世界で続く紛争は、私たちが絶対に継承し続けたくないないものです。(私たちは)これまでと違うことを試み、直接対話を通じて、過激な思想と戦い、…多くの人々が信じる、中東で両国が正当な国家として寄り立つ大義を前進させ続けることができるかどうか、それを実際に確かめたいと思いました」と、彼女は付け加えて述べた。

「様々なグループ、様々な方向性があることを認め、推進するというアラブ首長国連邦(UAE)のコミットメントを考慮したとき…この協調性へのコミットメントは、私たちの人間としての存在、誰であるかという尊厳の一部であり続けます」

エフライム・マービスは、こうしたアプローチは、平和協定が存続することを確実にするために不可欠であると述べている。「信仰の間に平和がなければ、国家の間に平和はあり得ないと私は強く信じています」と、エフライム・マービスは付け加えて述べた。

「実りある二国間関係の可能性、外交、観光、ハイテクなどの側面での可能性に関して、多くのことが語られています。しかし、それに加えて、ユダヤ人とイスラム教徒の関係には非常に多くの可能性があり、アブラハム合意が私たちに実りある将来への可能性の扉を開いたと私は信じています」

アル・ハシミは、技術、教育、その他の分野を通じた地域開発と進歩への扉を開くことは、地域の平和を促進するために不可欠であり、中でもイスラエルとの協力は、若者に機会を創出する上で中心的な役割を果たし、中東が 過激主義や古い偏見から離脱することを可能にすると述べている。

「独自の、アラブ首長国連邦(UAE)としての国家アジェンダを推進していくうえで、新しい成長分野に取り組むことに重点を置いており、先端的技術を持つイスラエルのような国との連携で、自国にも多くの創意工夫がもたらされると信じています」と、彼女は付け加えて述べた。

「中東地域では、過激派の言動が飛び交っています。私たちは、過激な言動に代わるものを提供したいと考えています。そのため、アラブ首長国連邦(UAE)では数年前に、政府の政策に若者に対する政策を含めるために、若者担当の国務大臣を任命することに重点を置きました」

エフライム・マービスは、重要な合意ではあるが、アブラハム合意は中東地域関係を完全にリセットする道を歩む第一歩に過ぎないと述べた。

「ユダヤ人の伝統、ユダヤ人の信仰の中で、平和ほど神聖なものはありません。かつての反抗者や敵との平和が確立されること。このこと以上に幸せの甘い果実を味わえるものはない」と、マービスは付け加えて述べた。

「私たちは辛抱強くなる必要があります。関係を構築し、創造し、醸成するには時間がかかります。相違する信仰グループ間の関係は、どうしても対人関係に依存します。私たちは熱意に溢れ情熱を持って前進する必要がありますが、現実的である必要もあります」

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