• ベイルート港大爆発事故による犠牲者の遺族は爆発の責任者を 「絞首刑 」にするよう求めた

ベイルート：今週ベイルートで24時間以内に発生した2つの事案は、レバノンが抱える問題を浮き彫りにした。

水曜日の夜、国内治安部隊の隊員が、ロックダウンの規則に違反した弁護士に暴行を加えた。また、同日の午後、8月のベイルート港大爆発事故の犠牲者の家族は、202人の死者と約6,500人の負傷者を出した事故への調査に対する司法の対応に抗議するために、再び抗議デモを行った。

活動家で元大臣のラチッド・デルバス弁護士はアラブニュースに対しこのように語った。「これらは国家の破たんの兆しです。レバノンで最後に崩壊するのは司法と治安だと思っていましたが、明らかにそうではありませんでした。」

犠牲者の遺族は爆発の責任者を 「絞首刑 」にするよう求めた。遺族らは事故調査を担当するファディ・サワン判事の家に向かった。サワン判事は議会に対し一部の閣僚について調査するよう求めているものの、爆発事故がどのようにして起きたのかを説明する報告書はまだ出されていない。

抗議デモ参加者らは「もう黙ってはいられない」と書かれた横断幕を掲げ、「過失・誤審判決 」を認めないとした。抗議デモ参加者らは、硝酸アンモニウムが最初にベイルート港に保管されていたとされる2013年以降の歴代の首相をはじめとする様々な閣僚の写真を掲げていた。

また、遺族らは「大胆な決断と、職位に関係なくすべての行政・政治・安全保障関係者の起訴」を要求した。そして、今回の犯罪は過失の結果ではなく、「故意に犯された」ものと信じているとした。

また、遺族らは、発表した声明の中で次のように述べた。「主犯を庇い、犯罪を嘲笑し、過失と裁定して事故原因を操作することにより、判事はこの犯罪の共犯者となります。私達は下級官吏の有罪判決では納得できません。上級官吏も、国内での職位にかかわらず、同様に処罰されなければなりません」と述べた。

デルバス弁護士は、サワン判事が 「ベイルート港内に数千トンの硝酸アンモニウムを保管していたことへの対応を怠ったことによる現・前閣僚の起訴要請について、議会に頼り切っている」ことを批判した。

デルバス氏はこの問題が政治化することへの懸念を表明する一方で、調査には 「専門知識を有する多数の専門家グループ必要であり、一人ではこの仕事はできない」と考えていると述べた。

一方、車のナンバープレート番号の奇数と偶数に応じて、交互の日に運転することができるという規則に違反したとして、アフラム・アル・ハラビ弁護士が水曜日に逮捕されたことに対し、ハラビ弁護士の逮捕を行った治安部隊による暴力を非難したベイルート弁護士会を含む一部の人々の怒りが爆発した。アル・ハラビ弁護士は地面に投げつけられ、ひざまずいてから手錠をかけられて警察署に連行されたと報じられている。

ベイルート弁護士会のサアデディーヌ・アル・カティブ会長は、アラブニュースにこのように語った。「私たちは、彼に与えられた暴力が死につながった可能性があるため、弁護士会とアル・ハラビ弁護士の名前で刑事告訴しました。ハラビ弁護士は不当な暴力にさらされている間、一言も言葉を発しませんでした。弁護士は、軍事法廷がまだ行われており、弁護士の存在を必要とし、苦情の申し立てを行ったり、釈放を確保したりするためロックダウン中であっても業務を行う権利を有しています。このような暴力は、弁護士に対してであろうと一般市民に対してであっても容認できません。組合員として、私たちは立ち上がりました。内務省と連絡はとりません。代わりに私達は法的手続きを取りました。」

「この国を率いている人は、人の命や人を救うことに関心がありません。彼は自分のことしか興味がなく、外交政策に左右されています。」

デルバス氏はアラブニュースにこのように述べた。「悪いことと、さらに悪いことの間で選択を迫られたとき、彼は最悪のものを選ぶのです。」

「この国は外国の利益を守る国ではありません。この国は兵舎でもプラットホームでもありません。ヒズボラはこの国をイラン戦略の人質にしてはいけません」と続けた。

「弁護士が軍部や裁判官の気分に左右されるようになれば、この国の政権を率いている船は、自転車に乗る価値以下です。」