
Ruba Obaid
ジッダ:イラン議会は1日、政府に対し、ウラン濃縮度を20パーセントに引き上げ、国連による核施設の査察を終わらせるよう求める法案を承認した。
この動きは、他の国々が首謀した暗殺だとイラン政府が非難している、最近起きた、イランの著名核科学者モフセン・ファフリザデ氏の殺害を受け、反抗を見せるものだとアナリストらは見ている。
サウジアラビアのアデル・ジュベイル外務担当国務相は1日、イランのモハンマドジャバド・ザリフ外相は、イランで起きる好ましくないことをサウジアラビアのせいにしようと「必死」だと述べた。
「ザリフ氏は次に起きる地震や洪水を私たちのせいにするのか」とジュベイル氏はTwitterに投稿した。「暗殺への関与はサウジアラビアの方針ではない。1979年のホメイニ師による革命以来そうしてきたイランとは違う」
It is not the policy of Saudi Arabia to engage in assasinations; unlike Iran, which has done so since the Khomeini Revolution in 1979. Ask us, and ask many other countries who have lost many of their citizens due to Iran’s criminal and illegal behavior!
— Adel Aljubeir عادل الجبير (@AdelAljubeir) December 1, 2020
「イランの犯罪行為や不法行為のせいで多くの国民を失った、私たちや他の多くの国々に聞いてください」とジュベイル氏は付け加えた。
この最新の法案は、可決させるための議会での再投票と、憲法に違反していないか審査する監督評議会の承認を必要とするだろう。さらに、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は全ての核政策において最終決定権を持っている。
政治アナリストで国際関係学者のHamdan Al-Shehri博士はアラブニュースに対し「このステップが脅威であることに疑問の余地はない。20パーセントに引き上げるということは、核爆弾の製造に近づいているということだ」と語った。「この地域は暗黒の、不安定な時期に入ることが約束されている」
イラン政府が地域を不安定化させることに固執し、核兵器獲得競争に勝つことを決意していることがこの動きによって示されている、と同氏は述べた。
「イランが核兵器を獲得したり、その目的達成に近づいたりすれば、この地域は大きな危険にさらされることになり、各国は自国を守ろうとするだろう。つまり、誰もが核兵器の獲得に頼ることになる。ファフリザデ氏の死は、状況がエスカレートするのをイランが待っていたことを示唆している」とAl-Shehri氏は付け加えた。
公式通信社IRNAによると、議会で290人中251人の議員が賛成票を投じた後、多くの議員が米国やイスラエルに反対するスローガンを唱え始めた。
この法案により、2015年の核合意に署名した欧州の国々は、イランの主要部門である石油・ガス部門に対する制裁を緩和し、イランの国際金融システムへのアクセスを回復するのに3カ月間の猶予を与えられるだろう。
「核爆弾製造に関連する多くの技術的な問題は、P5プラス1(国連安全保障理事会常任理事国の中国、フランス、ロシア、英国、米国にドイツを加えたもの)によって綿密には追跡されなかった」とAl-Shehri氏は述べた。
「イランが明確にせず、核施設の査察を阻止・制限していたこと、さらに、国際原子力機関が、世界の人々が安心して暮らせるようにするために、適切な働きをしなかったことも忘れてはならない」
「国際社会が何の行動も起こさなかったので、イランはもう核爆弾を保有しているかもしれない」
「科学者が暗殺されても事態は変わらない。イランの施設に攻撃したとしても、イランのインフラ本体が影響を受けることはないだろう」
「イランは、世界を快適にする方法に取り組んでいなかったし、当該地域で民兵、弾道ミサイル、無人機を使ってテロを広げていたので、テロリストならず者国家が受けるべき扱いも受けていなかった」と同氏は付け加えた。