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日韓、地域的脅威が高まる中、首脳会談で関係修復へ

日韓首脳は16日、歴史問題を乗り越えるべく東京で会談する。(AP)
日韓首脳は16日、歴史問題を乗り越えるべく東京で会談する。(AP)
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16 Mar 2023 09:03:53 GMT9
16 Mar 2023 09:03:53 GMT9

東京:韓国と日本の首脳は16日、東京で会談する。北朝鮮によるミサイル発射や日中船舶の係争海域での接近などにより日韓にとっての問題が浮き彫りになる中、歴史問題を乗り越え安全保障・経済関係を迅速に再構築するのが狙いだ。

日本の岸田文雄首相が韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対し日本を公式実務訪問するよう招待したのは、韓国の裁判所が日本企業に支払いを命じていた戦時中の徴用工への賠償を韓国の財団が肩代わりするとの発表があった後のことだった。

両国は、今回の会談をきっかけに10年以上の空白期間を経て定期的な二国間訪問が再開することに期待を寄せている。

歴史をめぐってしばしば対立してきた日韓は、手に負えない北朝鮮やもっと強力な中国に対する共通の懸念に促され、共通の同盟国である米国を含めた統一戦線の形成を図っている。

一連の劇的な出来事により北東アジアがブロックに分断されつつあることが浮き彫りになる中で両国の首脳会談は行われる。

首脳会談にミサイル実験で応える北朝鮮

16日に尹大統領が東京に向け出発する直前に北朝鮮がミサイルを発射したことで、同大統領と岸田首相が日韓を外交的に接近させる契機が高まるかもしれない。

北朝鮮の大陸間弾道ミサイルは陸地を避けるように高い角度で発射され、北海道沖の開水域に落下した。

1年前から核の脅しをエスカレートさせている北朝鮮は、日韓首脳会談および同時に行われている米韓合同軍事演習の両方についてメッセージを送ることを意図した可能性が高い。孤立した北朝鮮は合同軍事演習を自国に向けられたものと見ている。

岸田首相はミサイル発射を受け、「地域の平和と安定は関係国にとって大変重要な課題だ。同盟国・同志国との連携もより一層緊密なものにしていかなければならない」と述べた。

松野博一官房長官は、日韓首脳会談では北朝鮮のミサイルの脅威に対して日韓米で緊密に連携していくことを確認したいと述べた。

尹大統領は15日、AP通信を含む外国メディアからの質問に回答した文書の中で、緊張した韓日関係はできる限り早く修復しなければならないと述べた。「相互対立の悪循環を終わらせ、両国の共通利益を求めて協力しなくてはならないと考える」

影響力をめぐる米中闘争の中、流動的な地域情勢

米国は日韓関係の改善を歓迎するだろう。北朝鮮の核の脅威や中国の台頭により適切に対処するべくアジアにおける同盟を強化するための米国の努力は、歴史問題をめぐる不和によって損なわれてきたからだ。

16日、東シナ海の小さな島々をめぐる日中の対立が高まった。日本が実効支配しているが中国も領有権を主張している無人諸島(日本名は尖閣諸島、中国名は釣魚群島)の周辺海域に中国海警局の船舶が侵入した後、双方が領海侵犯だとして互いを非難したのだ。

この島々については、すぐ南にある台湾も領有権を主張している。

今回の首脳会談は、伝統的に米国が影響力をおよぼしていると見られている諸地域において中国が一連の外交的成功を収めた後というタイミングでもある。

ホンジュラスは15日、中国を支持し、台湾を国家として承認することをやめると発表し、台湾を孤立させるための中国の努力を前進させた形となった。

一方、先週にはサウジアラビアとイランが中国による仲介のもと国交回復の合意を結び世界を驚かせた。

米国も地域における同盟強化に力を尽くしている。16日の日韓首脳会談の実現には米国が動いたようだ。同日には韓国、日本、カナダ、インドとの対潜水艦共同訓練も始まった。

韓国が過去の歴史問題解決のために譲歩を申し出る

2011年以来となる日韓首脳会談の焦点は、韓国側の大幅な譲歩となる尹大統領の財団案に対して岸田首相がどう応じるか、そして防衛対話や定期的な首脳訪問を再開するか、再開するのならいつからかという点だ。

日本の首相官邸によると、岸田首相と尹大統領は会談後に夕食を共にした後、非公式の対話を行う。報道によると、岸田首相は1軒目の「すき焼き」、2軒目の「オムライス」(尹大統領の好物とのこと)という「はしご」ディナーでもてなす予定だという。

日韓は長年、1910~1945年の日本による朝鮮半島植民地化や、第二次世界大戦中の日本軍の「従軍慰安婦」に対する売春の強制などの非人道的行為をめぐる不和に加え、島嶼をめぐる領土問題も抱えている。

2018年に韓国最高裁が日本企業2社(日本製鉄と三菱重工業)に対し第二次世界大戦中の強制労働の賠償を一部の韓国人元徴用工に支払うよう命じた後、日韓関係は冷え込んだ。

日本側は、日韓国交正常化に伴い日本が韓国に8億ドルの経済援助・融資を行うことを定めた1965年の協定によって賠償問題は全て解決済みだと主張している。

歴史問題は貿易や防衛にも波及した。日韓は貿易関係について、日本が制限を課した2019年以前の状態に回復させるための交渉を行うことで合意した。

日本の有力ビジネスロビー団体である日本経済団体連合会(経団連)は16日、韓国の経済団体との間で若手人材交流促進などの二国間プロジェクトのための2つの民間基金を設立することで合意したと発表した。

尹大統領にはビジネス界のリーダー十数人が同行しており、17日に日本側のリーダーらと会合を開く予定となっている。

AP

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