
アンカラ:イスラム国(ISIL)が関わるエクレム・イマモール市長の暗殺計画が失敗したという「未確認」報道を受けて、個人に関する安全対策が同市長周辺で強化されている。
トルコ警察が先月、イスタンブール市の指導者へのテロ攻撃が起こり得ることを警告した、と同市の情報筋が明らかにしたが、同国の警察総局は具体的な脅威があったことを否定した。
しかし、警察総局は「信憑性を確認できない情報や、市当局への抗議が時々」あったことは間違いなく認めていた。
主要政党の共和人民党(CHP)に所属するイマモール市長(50歳)は、2019年3月の地方選挙で市長に当選した後、トルコの政治シーンに比較的新しく登場した政治家だ。
しかし、この政治家は、市民の生活に必要なものに関連する地方プロジェクトや、たくさんの問題を越え、挙国一致を訴えて、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の次期挑戦者として、すぐに頭角を現した。
反体制派の日刊紙、ソズキュの調査ジャーナリスト、イズメール・セイマズ氏は、この市長を殺害するという脅しを確認したのは、内務省と通じている者たちであり、彼らはその他のテロの標的となる人物名も書かれた情報報告書を受け取ったと主張していた、と語った。
しかし、内務省はこれを具体的な、あるいは最も新しい暗殺の脅迫であるとは思わず、未確認情報としか思わなかった。
しかし、イスタンブール市当局報道官は、警察が11月23日にイマモール市長への安全上の脅威について、市当局に警告したと述べた。
トルコでISIL武装勢力により、注目を集める政治家にもたらされた危険性は高まっているが、過去に政治的暗殺や未解決の殺人事件を幾度か体験してきた国にとっては、新しいことではない。
イマモール市長の暗殺計画が主張された翌日、スュレイマン・ソイル内務大臣は12月2日、議会の中でトルコの対テロ作戦を明らかにし、タハリール・アル=シャームを、同国が現在闘っているテロ組織に指定した。同日、警察のテロ対策課が主導した反ISIL作戦の後、イラク国民18人がアンカラで拘留された。
11月中旬には、イスタンブール最高検察庁は、結果的に4人のISIL容疑者を逮捕することになった調査を主導していた。
最近、体制支持派のジャーナリスト、フアット・ウグル氏は、CHPの71歳の指導者、ケマル・クルチダルオール氏への暗殺が差し迫っていると主張した。アンカラの美術展で4年前に射殺されたトルコのアンドレイ・カルロフ駐ロシア大使と同じ手法で、クルチダルオール氏が殺害される、と脅迫は示唆していたと語った。
クルチダルオール氏は最近、与党政府連合の民族主義者行動党、特に党首のデヴレト・バフチェリ氏から厳しく非難されている。
トルコ政府とカタール政府の最近の物議を醸すやり取りの中で、CHPの副党首が陸軍は「カタールに売られた」と発言したことを受けて、バフチェリ氏は最近、CHPこそ「国家安全保障問題」であるとした。
トルコの悪名高きマフィアのボスであり、極右の民族主義者行動党(MHP)と政治的につながっているアラティン・チャキジ氏は、11月17日、恩赦法に関して、政府を主要野党指導者が非難したことで、「帰り道に気をつけろ」とクルチダルオール氏を公の場で脅した。この恩赦法は、数千人の犯罪者は釈放するが、ジャーナリストや反体制派の政治家は除外することにつながった。
ウグル氏は、次のように語った。「アラティン・チャキジ氏は、こうした不審な殺人が起きれば、責任を負わされるでしょう。そうなれば、政府が暗殺を命じたという認識が生まれるでしょう」。イマモール氏はクルチダルオール氏から党首交代し、さらに大きな混乱した雰囲気が生じるだろう、と同氏は付け加えた。
もう1人の調査ジャーナリスト、ネディム・シェネル氏は、トルコでも「代理武装集団」が、イランの原子核物理学者、モフセン・ファフリザデ氏の最近の殺害と同じように、反政府派への挑発的な暗殺に携わる可能性があると語った。