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米軍のB-52H爆撃機がイラン抑止のために中東に飛来

2019年5月21日、南西アジア上空を飛行する準備をする米空軍のB-52Hストラトフォートレス。(写真/AP通信)
2019年5月21日、南西アジア上空を飛行する準備をする米空軍のB-52Hストラトフォートレス。(写真/AP通信)
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11 Dec 2020 05:12:31 GMT9
11 Dec 2020 05:12:31 GMT9
  • B-52Hストラトフォートレス爆撃機の飛行は、米国の中東への継続的な関与を強調することを目的としている
  • 長距離重爆撃機は小さい戦闘用機に比べて中東での飛行頻度が低い

ワシントン:軍事力の新たな誇示として、米国の爆撃機2機が木曜日に米国を離陸して中東の広範囲を飛行した。米国当局者はイランに対する直接的な抑止力のメッセージを送ったと述べた。

2機の巨大なB-52Hストラトフォートレス爆撃機が中東の上空を飛んだのは1か月足らずで2回目で、ドナルド・トランプ大統領の政権がイラクとアフガニスタンから数千人の部隊を撤退させる中でも、米国の中東への継続的な関与を強調することを目的としている。

通常兵器と核兵器の両方を搭載可能な長距離重爆撃機は、恐怖心を抱かせるような姿で、米軍の戦闘機などの小さい戦闘用機に比べて中東での飛行頻度は低い。敵対国はしばしば自国が影響力を持つ領域での爆撃機の飛行に不満を持ち、力を誇示する挑発的な行為とみなしている。

「戦略爆撃機をノンストップで世界の半分の距離を飛行させ、複数の地域のパートナーと迅速に統合する能力は、我々の緊密な協力関係と地域の安全と安定への共通の決意を行動で示すものだ」と、米国の中東担当最高司令官フランク・マッケンジー大将は声明で述べた。

湾岸地域からのニミッツ空母打撃群の離脱が間近に迫っていることと相まって、部隊の削減は米国がこの地域を見捨てようとしているのではないかという同盟国の懸念を高めている。こうした懸念は、イランの核科学者モフセン・ファクリザデ氏の暗殺に対する報復として、イランが米国や同盟国を攻撃するのではないかという不安によりさらに悪化している。

イランはファクリザデ氏の死をイスラエルの責任としているが、イスラエルは過去に起こったイランの核科学者の殺害事件でも疑われている。
米国の当局者はまた、1月初旬にバグダッドの空港近くでイランの実力者、カセム・ソレイマニ将軍とイラクの民兵幹部を殺害した米国の空爆から1周年を迎えるにあたり、イランの報復攻撃の可能性を懸念している。

イランの支援を受ける民兵組織は、米軍とイラク軍が拠点を置くイラクの施設の近くで定期的にロケット弾を発射しており、当局者はより大きく、致命的な攻撃を懸念している。

「我々は紛争を求めているわけではない。しかし、我々はいかなる不測の事態にも、あるいはいかなる侵略にも抵抗して対応する姿勢を保ち、全力を投じなければならない」とマッケンジー氏は述べた。

任務について詳しく話すために匿名を条件に少人数の記者団に話した軍のある高官は、米国の政権はイランがこの地域における米国や同盟国の利益を攻撃するリスクは現在、通常よりも少し高いと考えており、国防総省はイラン政府が何かをする前に考え直させることを確実にしたいと考えていると述べた。

ジョー・バイデン氏が11月にトランプ氏に勝利し、米国で大統領が交代することが懸念をさらに悪化させている。この軍の高官によると、イランや他の敵対国は政治的な移行期には米国が弱くなったり、対応が遅くなったりするかもしれないと考えていることが多いという。米国の当局者はこれを完全に否定している。

中東とヨーロッパへの爆撃機の展開と短期間の飛行は、過去にもイランにメッセージを送るために行われており、ここ2年間には数回行われている。

関係者によると、爆撃機は水曜日にルイジアナ州のバークスデール空軍基地を離陸し、木曜日に飛行ミッションを行った。公式の愛称はストラトフォートレスで、非公式には「Big Ugly Fat Fellow(大きくて不細工で太った奴)」として知られているB-52は、ベトナムで空の恐怖として不朽の名声を得た。

この軍の関係者によると、2機の爆撃機は約36時間の飛行ミッションを行う予定で、大西洋とヨーロッパを横断し、アラビア半島を横断してペルシャ湾を下り、カタールの近くで大きく旋回し、イランの海岸線から安全な距離を保ち、任務を終えて帰投した。爆撃機の飛行は中東の米国の同盟国と調整され、サウジアラビア・バーレーン・カタールの航空機が、空域を通る爆撃機に随伴して飛行したとこの関係者は話した。

ノースダコタ州のマイノット空軍基地の米爆撃機は、11月下旬に同様の任務で飛行を行った。

航空母艦ニミッツと、その空母打撃群の他3隻の軍艦は、年末までに帰投する予定だったが、これらの艦船は中東にとどまっており、出発の新しいスケジュールは決まっていない。しかし、当局者は、艦船の帰還は決定されておらず、湾岸地域での追加の時間に期限がないことを明らかにしている。

国防総省は先月、米国がイラクとアフガニスタンの兵力を1月中旬までに削減することを発表し、この決定が米国の長い戦争から部隊を帰還させるというトランプ大統領の公約を達成すると主張している。

加速的な撤退の下で、米国はアフガニスタンでの兵力を4,500人以上から2,500人に、イラクでの兵力を約3,000人から2,500人に削減する。

AP通信

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