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新型コロナウィルス(COVID-19)はイエメンの医療システムを「簡単に征圧」する可能性があると当局が警告

アデン州南部ムアラ地区の検問所にいる、イエメン分離主義者の南部暫定評議会メンバー。作業員は入口で車両の消毒をしている。2020年5月10日(AFP)
アデン州南部ムアラ地区の検問所にいる、イエメン分離主義者の南部暫定評議会メンバー。作業員は入口で車両の消毒をしている。2020年5月10日(AFP)
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25 Dec 2020 02:12:51 GMT9
25 Dec 2020 02:12:51 GMT9
  • イエメンでは人工呼吸器その他の重要な器具が不足している

サイード・アル・バタティ

アル・ムカッラ:新型コロナウィルス(COVID-19)はイエメンの医療システムを「簡単に征圧」する恐れがあるため、伝染病の拡散を食い止めるためのより厳しい措置が再実施される可能性があると、当局が木曜に発表した。

アデンを拠点とする国家コロナウィルス対策委員会の広報担当者であるIshraq Al-Subaee博士によると、同委員会は金曜から、PCRテストの陰性証明をイエメンへの旅行者に要求するようにという警告を陸海空すべての入国ポイントに出した。

この伝染病が国内に蔓延した場合、同委員会は空港や国境閉鎖を含むさらに厳しい措置を取る可能性もある。

「このたやすく感染する病気は、イエメンの医療システムを簡単に征圧してしまう。人工呼吸器やその他の重要な器具もまだまだ不足している」と彼女はアラブニュースに伝え、更に「感染防止のため、政府はロックダウンや集会禁止の措置を再び実施する可能性がある」と付け加えた。

月曜の速報によると、同委員会は政府統括地域で確認された感染および死亡事例がゼロだったと発表した。4月10日以降に確認された感染事例は計2,087件で、うち回復者は1,384名である。しかし地元メディアの報道によれば、アデンと中央部のアルバイダ州では新たに数件の感染が確認されたという。

現地の保険当局や専門家は以前、アラブニュースに対し、パンデミックは国内の至る所に広がっており、実際の感染者数は公式数よりもはるかに多いと述べていた。

イエメンはウィルスの拡散防止のため3月に国境と空港を封鎖し、24時間のロックダウンを複数都市で実施した。しかし多くのイエメン人は保険ガイドラインを無視して大規模な集会に参加したり、葬儀や結婚式を行ったり、国中を旅行したりしていた。

同国の医療システムは新型ウィルスに備えるため、より多くの資金や器具を必要としているが、Al-Subaee博士は「医療従事者はこのウィルスが同国に入ってきた当初よりも、パンデミックへの対処経験を積んでいる」と述べた。

「訓練とスキルという点に関して言えば、今回の方が準備が出来ている。今では医療従事者はどんな新しい衝撃にも対処可能だ。」

批評家や専門家は、旅行者が同国に入り続けていることから、新たな措置をとっても新型変種の拡散は防止できないと主張している。イエメンには1月以降、紛争やパンデミックにも関わらず、何千人ものアフリカ系移民が流入している。 

委員会が下した最新の決定は、海外のイエメン人にパニックを引き起こした。彼らはこれを、国境封鎖の前段階であるととらえたのだ。ある旅行代理店の従業員がアラブニュースに語ったところによると、人々は出発日を前倒しするため、旅行代理店やカイロその他の都市にある国営航空会社イエメニアのオフィスに押し寄せた。 

4月には、国外にいた何千人ものイエメン人がコロナウィルスのロックダウンによる足止めを受けた。

地元の医療従事者がアラブニュースに語ったところでは、特に人口が密集している都市ではコロナウィルスの感染事例数が急速に減少しており、連日ゼロ件が続いているということだ。

南部の都市タイズにある国家コロナウィルス対策委員会の広報担当者、Ahmed Mansour博士は、「この都市の研究所は9月以降に数百人に対しPCRテストを実施したが、ゼロ件の報告が続いている」と述べた。

「我々はパスポート局の外に集まったタイズその他の地方からやってきた人々から、毎日約30名のサンプルを採取してきたが、結果は全員陰性だった。検査からは、新型変種ウィルスがタイズに到達していないことも立証された」と博士は述べた。 

博士はイエメン政府と海外の寄贈者に対し、タイズの医療施設や検疫所に個人防護用品や検査キットを送るよう要求した。

「コロナウィルス用の医療器具や防護用品はまだまだ不足している。」

週の初め、メーン・アブドゥル・マリク・サイード首相は「イエメンにはワクチンを購入する資金がないため、新政権は世界銀行と海外の寄贈者に対し、新型コロナウィルス(COVID-19)用ワクチンをイエメンに送るための資金提供を求めるだろう」と述べた。  

彼は「新保健相と当局はワクチン配布の資金調達に関して、海外の寄贈者に連絡をとるだろう」と述べた。 

「ワクチンに関して、我々は国際社会の支援を必要としている」と首相は付け加えた。

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