
Saeed Al -Batati
ハヤール:イエメンは南東部ハドラマウト県で、ワクチン接種キャンペーンでコレラの流行と闘っており、地元医療団体と国際医療団体が緊急のワクチン接種キャンペーンを実施している。
遠く離れたハヤール地区でのコレラの流行は、通常4月から9月まで続き、その後数カ月で感染者はいなくなる。しかし今年、この地区の主要病院は数十年ぶりに10月、11月、12月にコレラの新規感染者を受け入れたと報告した。
ユニセフ、世界保健機関(WHO)、イエメンの保健当局は、感染者の増加に危機感を募らせ、協力して12月20~25日にハヤールで緊急のコレラワクチン接種キャンペーンを実施した。
「新患が次々と病院に運ばれてくることは我々にとって心配の種で、コレラがハヤールで流行していることが示されている」とハヤールの主要病院の院長で保健省の地区事務所長であるAbdullah Awadh Bahendi氏はアラブニュースに語った。
このキャンペーンの対象となったのは、同地区の農村地域と都市部に住む4万人だった。
ポスターやちらしが数百枚配布され、トラックが、キャンペーンの重要性を伝えるメッセージを流しながら走り回った。
医療従事者のNashwa Mubarakさんは、キャンペーンの前やキャンペーン中に行われた啓発活動が成果を上げ、ハヤールの住民の大多数がほとんど反対せずにワクチン接種を受けたと話した。
「私は女性なので、男性の訪問者を受け入れない女性をターゲットにし、ためらう女性の説得もしています」と彼女はアラブニュースに語った。
保健当局によると、ハヤールでは今年の4月以降、コレラの感染者が少なくとも250人、関連死が1件登録されている。2019年の感染者は520人で、死者は6人だった。
WHOによると、保健医療施設は今年の1月1日から8月2日までの間に、感染が疑われる患者16万7278人と関連死48件を記録した。感染者数が最も多かったのは西部ホデイダ県で2万6936人、次いでサヌアで2万4593人。
ハヤールの保健当局は、コレラが定期的に再発しているのは、ナツメヤシの収穫期に人々が周期的に集まることに加え、上下水のシステムが崩壊しているためだとしている。
各家庭は、外か、近くの小さな穴に下水を排出する。鉄砲水や大雨で都市部の下水・水道システムの大部分が破壊され、人々は汚れた水を使うようになった。
「雨や洪水で水道管が完全に壊れた」とBahendi氏は話した。「人々が汚れた水を使うようになるとコレラが再発する」
同氏は、保健省と国際機関の最新の人道的介入が、コレラの感染者数を減らすのに役立ったと付け加えた。
「コレラの流行の原因は戦争とは何の関係もない。コレラの流行を終わらせる一助となると思われるので、ハヤールの下水・水道システムを構築することを要求する」
起伏の多い地形であるため、洪水によって村が孤立し、医療従事者が病人の所にたどり着くのが困難になる。
Bahendi氏は、遠く離れた村に、コレラの軽症患者に対処するための水分補給コーナーと併せて、医療センターをいくつか建設し、医療センターにスタッフと救急車をそろえることを提案した。
水道・公衆衛生システムを整えるを優先すべきであり、処理済みのミネラルウォーターを買う余裕がないため、汚れた水を飲むしかない、とハヤールの住民らは話した。
Suleiman Ahmedさん(48)は、汚れた水を飲んだり、汚染された食品を食べたりした後、この病気に掛かったと話した。
「きれいな水を買う余裕はない」と彼はハヤールの病院のベッドでアラブニュースに話した。病院の院長は彼に、ミネラルウォーターを買う余裕がないならば、水を飲んだり、水を使って料理をしたりする前に水を煮沸するようアドバイスした、と彼は付け加えた。
保健省ハドラマウト事務所の保険局長KhaledAl-Kaledi氏は、ハヤールは県の他の地域と比較してコレラの感染者数が多いため、同事務所はハヤールを高リスク地区に分類したと述べた。
ワクチンが安全であることを市民に納得させるため、当局者らは、同氏を含め、ワクチンを接種した、と同氏は付け加えた。
「このキャンペーンに対する人々の反応は素晴らしい」と同氏はアラブニュースに語った。