
アシール・バシュラヒール
ジェッダ:サウジの政治アナリストのハムダン・アル・シェリ氏は、イラン政権が1月8日、地下ミサイル基地を公開したことを強く批判した。
アメリカ政府とイラン政府の緊張が高まっているとき、イランの革命防衛隊は、この基地を公開したが、その所在地は明かさなかった。
「この基地は、革命防衛隊海軍の戦略ミサイルを格納する幾つかの基地のうちの1つです」と、革命防衛隊の総司令官、ホセイン・サラミ少将は述べたと国営メディアが報じていた。
このミサイル公開は、湾岸協力会議(GCC)への「脅迫」メッセージだ、とアル・シェリ氏はアラブニュースに語り、これは「万が一アメリカとイランの戦争が勃発すれば」、GCCも影響を受ける可能性がある、という警告だと見なすことができると付け加えた。
「これは挑発を意図したものですが、この地域の安定に対して、秘密基地、極秘任務を通して、イランが突き付けている脅迫の証しでもあります」と、国際関係学者でもあるアル・シェリ氏は語った。
昨年、革命防衛隊はイランがペルシャ湾沿岸に地下「ミサイル都市」を建設したと述べ、イランの敵にとって悪夢になると警告した。
「これらのミサイルは数百キロメートルの射距離があり、抜群の精度と凄惨な破壊力を持ち、敵の電子戦用の防衛機器を克服することができます」と、サラミ少将は8日に語った。
近年ペルシャ湾で、革命防衛隊とアメリカ軍の対立が定期的に起こっていた。アメリカの艦艇がホルムズ海峡を通過するとき、脅すためにスピードボートを派遣したことで、アメリカ軍はイラン政権を非難していた。
また8日も、イランの最高指導者がテレビ演説を行い、ジョー・バイデン氏が今月後半に大統領として宣誓した後、アメリカが2015年の核合意に戻ることを、イランは急かしていないとも述べた。
「私たちは急かしていませんし、アメリカに戻るように主張してもいません。私たちの要求は論理的で、合理的なのものであり、つまり制裁の解除なのです」と、アリー・ハーメネイー氏は述べ、退任するアメリカのドナルド・トランプ大統領が、この核合意を離脱したときに課した制裁に言及した。この核合意には、2018年の時点で、幾つかの大国が署名国となっていた。トランプ大統領の決断は、両国の数十年に及ぶ緊張を高めた。
「両国が合意に達しなければ、そして、2015年のオバマ前大統領との1,500億ドルの取引のように、双方が欲しいものを手に入れる覚書に署名しなければ、制裁が解除されることはないでしょう」と、アル・シェリ氏は指摘した。
1月20日にトランプ大統領と交代するバイデン次期大統領は、正式には包括的共同行動計画(Joint Comprehensive Plan of Action)、即ちJCPOAとして知られる合意にアメリカが戻る意思があることをほのめかしてきた。
バイデン氏はアメリカ政府がこの合意に戻った後、とりわけイランのミサイルと地域の影響に関して、イラン政府ともっと広範囲な交渉をしたいと述べてきた。
JCPOAは制裁解除の見返りとして、イランの核活動を厳しく制限していたが、2019年以降、イランはJCPOAの下で締結された主要な義務の履行の大半を徐々に中断してきている。
ミサイルプログラムは、いかなる外部からの脅威に対してもこの国を「守る」ために、開発した、というイランの立場を、最高指導者は繰り返した。ロイター通信によると、ハーメネイー氏はまた、「中東で最も感染が深刻な国、イランで感染が拡大するなか、イランがアメリカとイギリスからCOVID-19のワクチンを輸入することを禁じたとも述べ、欧米諸国を「信頼できない」と断言したという。
同氏はイランの長期にわたる敵対国である両国が、もしかすると、他の国々で感染を拡大させようとしているのかもしれないという可能性を提起した。
「アメリカとイギリスのワクチンを、この国に輸入することは禁じられており…これは両国を全く信頼できないからです。両国が他の国々を感染させたいと思っているという可能性もなきにしもあらずだからです」と、ハーメネイー氏は述べた。
「私たちがフランスから輸入した輸血用血液がHIVに汚染していたという経験を考えれば、フランスのワクチンもまた信用できません」と、同氏は付け加え、1980年代と1990年代のフランスの汚染血液スキャンダルに言及した。
しかし、イランは「他の信頼できるところから」、ワクチンを入手できるだろう、と同氏は付け加えた。