
Daoud Kuttab
アンマン:エジプトのシーシー大統領が二国間の首脳会議のために、月曜日、ヨルダンの首都アンマンを訪れ、歓迎を受けた。首脳会議ではアメリカのトランプ大統領退任後の世界情勢への対応が話し合われるとみられる。
今回のエジプト大統領のヨルダン訪問は、1月16日にラマッラーで行われたヨルダン、エジプト、パレスチナの情報機関当局者による会議に引き続いて行われた。
フセイン国王およびアブドッラー国王の元顧問のAdnan Abu Odeh氏はアラブニュースの取材に対し、緊急会議の相次ぐ開催は中東地域の重要な政治的動向を反映しているという考えを示した。
Abu Odeh氏は特に重要な会議として、1月11日にフランスとドイツの外相が出席してカイロで行われた中東和平に関する協議について指摘した。
ヨルダンとエジプトは、先週、カイロで開催された多国間フォーラムに両国の外相が出席したあと、中東カルテットの枠組みに新たに加わる可能性が浮上している。
中東カルテットは国連、EU、米国、ロシアで構成され、中東和平交渉の仲介を目的に2002年に設立された。
Abu Odeh氏は「中東および国際社会の関係者はトランプ大統領によって引き起こされた問題の解決に向けて動こうとしている。とりわけ、パレスチナとイスラエルの対立、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関への支援、米国のパレスチナ代表部の再開などだ」と述べたうえで、ヨルダンには登録されているパレスチナ難民が200万人いると指摘した。
アル=クドゥス・センター・フォー・ポリティカル・スタディーズのOraib Rantawi氏は今回の慌ただしい動きは、パレスチナ自治政府議長が今年の夏に選挙を実施すると決定したことも影響しているとアラブニュースに話した。
「ヨルダンとエジプトの指導部は選挙結果について懸念している。両国ともこれ以上の予期せぬ事態は避けたい考えだ」
Rantawi氏はガザ地区への国際社会の制裁と深刻なパレスチナ分裂のきっかけとなった2006年のパレスチナ評議会(議会)選挙でのハマスの勝利について言及した。
パレスチナの指導者たちは近日中にカイロで協議する予定で、他の議題に加え、ファタハとハマスが今度の選挙に合同の候補者リストで参加することで和解を目指すことなども話し合われるとみられる。
また、Rantawi氏は最近の湾岸二か国とイスラエルの国交正常化の流れは、バイデン政権になっても大きく変化することはないだろうと指摘した。
そして「湾岸諸国の一部がUNRWAへの支援を増やし、ガザの長期に渡る経済的苦境からの脱出を援助する可能性はある」とアラブニュースの取材に対して述べた。
エジプトの大統領府によれば、エジプトとヨルダンの両国首脳は両国の関係強化に加え、アラブの安全保障維持に関して定期的に共同で対処していく観点から、地域の問題に関しても意見交換を行う見通しだ。
ヨルダン、エジプト、イラクの3か国は、エネルギー分野と農業分野の経済協力強化に向けた取り組みも推進している。