
エルサレム:イスラエルは、来月までにCOVID-19のワクチンでパンデミックから脱却する計画を立てている。しかし、コロナウイルスの新たな変異種が感染の増加に拍車をかけているため、この計画は危機にひんしていると同国の高官が語った。
現在、イスラエルの病院は、感染力の高い外国の変異種に感染した重症の患者であふれている。新たに開発されたワクチンはこの変異種に対して十分な効果があるのかまだ証明されていないと、ヨアブ・キッシュ保健副大臣は述べた。
イスラエルは現在、国民1人あたりのワクチン接種数で世界をリードしている。人口900万人のうち約30%が少なくとも1回ワクチンを接種している。
元戦闘機パイロットのキッシュ氏は「私たちは(ウイルスについて)非常に少ない情報で闘っています」と述べた。「それは、私たちが取り組みを行うにつれて、物事が変化していることを意味します。ウイルスは、私たちが完全に把握していない異なる戦術と異なる方法を使用しています」
イスラエルは、12月19日から高リスクグループに対してワクチン接種を開始した。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、今月末までに同グループに対して完全予防を提供し、2月に経済を再開できるようにするだろうと予測していた。
しかし、米ファイザー社のワクチンの資格基準が拡大され、3回目の国家封鎖が行われたにもかかわらず、同国では感染者と死亡者が急増している。
ネタニヤフ首相は世界経済フォーラムのバーチャル会議において、「私たちは激しい競争をしています。ただし、それは軍拡競争ではなく、ワクチンとウイルス変異の競争です」と述べた。
世界中の政府は「現時点でワクチンを製造している企業に対して、今はカバーしていない変異種に対応するためにワクチンを改良することを期待すべきでしょう」と、ネタニヤフ氏は述べた。同氏は3月23日の選挙で再選を目指している。
キッシュ氏は、イスラエルが先週発表したワクチンで状況が改善するという見通しは誤りだったと述べた。現在は、今後2週間でワクチンがウイルスの変異種に打ち勝つことを示す確かな研究データが得られるだけでなく、罹患率が低下することが期待されている。
「私たちは楽観的です。なぜなら、現在のところワクチンは(それ自体)変異種に対して効果があるという知見があるからです」と、キッシュ氏は述べた。同氏はネタニヤフ氏が率いるリクード党の議員だ。
もしそれが正しければ、イスラエルが計画しているパンデミックからの脱却は、わずか2〜4週間遅れるだけで済む、と同氏は述べた。もしそうでなければ、イスラエルの計画はさらに6〜8カ月の遅れに直面する可能性がある。
「私たちは、変異種に効果のある新しいワクチンの開発を待たなければならないでしょう」とキッシュ氏は述べた。
イスラエルの内務省は水曜日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、旅行者に対し、ヨルダンとエジプトとの国境検問所を閉鎖すると発表した。
この決定は、火曜日に実施された同国の国際空港の閉鎖に続いて行われた。
「罹患率の増加を防ぐ共同の取り組みを完了するために、アリエ・デリ内相は、イスラエル人と外国人に対し国境検問所を閉鎖すると発表しました」と同省は声明で述べた。
ロイター通信