
エルサレム:パレスチナ自治政府は、すでに人口の3分の1以上が接種を受けたイスラエルから数千回分のワクチンを受け取り、火曜日にパレスチナで知られている限り初めてとなるコロナウイルスのワクチン接種を行った。
パレスチナ保健省は声明でワクチン接種キャンペーンの開始を発表した。また、マイ・アル・カイラ保健相は数人の最前線の医療従事者と共に最初のワクチン接種を受けたという。同省は声明でイスラエルがワクチンを提供したことを認めなかった。
12月に独自でのワクチン接種キャンペーンを開始したイスラエルは、今週、パレスチナ人に対して5千回分のモデルナワクチンの移送を開始した。最初の接種は医療従事者に対して行われる。
パレスチナ人は、世界保健機関のプログラムを通じて、数万回分のワクチンを今後数週間のうちに入手したいと考えている。
ワクチンの入手が実現した場合でも、450万人以上のパレスチナ人が住み、イスラエルに占領されているヨルダン川西岸地区とガザ地区でウイルスの感染を抑制するために十分なワクチンの接種を行うためには数か月かかる可能性がある。イスラエルは3月末までに成人の全人口にワクチンを接種する予定だ。
WHOは、世界で最も成功したワクチン接種キャンペーンの1つの先頭に立つイスラエルとパレスチナ自治区の間の不公平感について懸念を表明している。イスラエルは1967年の戦争で、パレスチナ人が将来の国家建設を望んでいる土地である東エルサレム、ヨルダン川西岸地区、そしてガザ地区を占領した。
人権団体は、イスラエルは占領者としてパレスチナ人にワクチンを接種する義務があると主張している。イスラエルはそのような責任があることを否定し、イスラエルが優先するのはイスラエル居住者だとしている。イスラエルは積極的にイスラエル領域内のアラブ市民と併合された東エルサレムに住むパレスチナ人にワクチン接種を提供している。
イスラエルは製薬メーカーのモデルナやファイザーとの契約で数百万回分のワクチンを確保し、人口900万人以上のうち300万人以上に2回の接種のうち1回目を行った。しかし、ウイルスの深刻な感染拡大が続いているため、イスラエルでは現在もロックダウンが続いている。
パレスチナ人はイスラエルにワクチンを公に要求しておらず、WHOや製薬会社との契約を通じて独自の供給を確保していると主張している。パレスチナ自治政府は、月曜日に2千回分のワクチンを受け取ったことを認めた。これはイスラエルによって送られたワクチンの最初の輸送分だが、パレスチナ自治政府はワクチンの出所を明らかにしなかった。
1990年代に署名されたオスロ合意の下では、パレスチナ自治政府は、自治政府が管理する領土内の医療を提供する責任がある。しかし、この暫定的な和平合意では、双方が感染症との戦いに協力する必要があるとしている。
WHOは月曜日、パレスチナ自治政府は2月中旬から「メーカーとの供給契約の承認を条件に」ファイザー社・BioNTech社製ワクチンの3万7,440回分を受け取ると発表した。また、WHOの緊急使用承認を条件に、2月中旬から下旬にかけて、新たにアストラゼネカ社のワクチン24万~40万5,600回分をパレスチナ自治政府に供給するとしている。パレスチナ自治政府はまた、新しい研究で安全性と有効性が示されたロシアのスプートニクVワクチンも数千回分購入する予定だという。
ファイザー社・BioNTech社とアストラゼネカ社のワクチンは、貧しい国がワクチンを取得するのを助けるために作られたWHOのプログラムであるCOVAXを通じて提供されている。仮にパレスチナ人がこれらのワクチン入手手段の上限量を受け取ったとしても、ヨルダン川西岸地区とガザ地区の人口の5%までしかワクチン接種を受けられない。
AP通信