
エルサレム:アントニー・ブリンケン米国務長官がゴラン高原をイスラエル領であるとの認識まで至らなかったことを受け、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相は火曜日、ゴラン高原は常にイスラエル領であると述べた。
2019年、当時のドナルド・トランプ米大統領は、ゴラン高原をイスラエル領と認め、他の世界の大国らと決別した。イスラエルは1967年のシリアとの戦争でゴラン高原を占領し、1981年に併合した。
ブリンケン国務長官は月曜日、イスラエル北部とレバノンとヨルダンとの境界線を見下ろすゴラン高原のイスラエルによる占領について、「イスラエルの安全保障にとって大変重要」であると述べたものの、ゴラン高原をイスラエル領であると認識することについては慎重な態度を示した。
ブリンケン国務長官は『CNN』の取材に対し、「法的な問題はまた別の問題です。今後シリアの状況が変化した場合には、我々も検討することとなりますが、現在は全くそのような状況にはありません」と語った。
記者団の取材に対し、ネタニヤフ首相はこのように述べた。「米国は今後状況を検討すると述べましたが、私は既に検討を行ったのです。私の知る限り、ゴラン高原は永遠にイスラエル国家の一部であり、イスラエル主権の一部であり続けます」
「イスラエルはゴラン高原をシリアに返還すべきか、ですか?」ネタニヤフ首相はイスラエルの長年の敵国イランの内部抗争に言及し、「大量殺人の危険な状況にあるシリアにゴラン高原を返還すべきでしょうか」と加えた。
シリアはかねてからゴラン高原の返還を要求しており、イスラエルの一方的な併合は国際的に認められていない。
ドナルド・トランプ元米大統領は2019年3月、国際社会が認めない形で、1981年に併合されたシリアのゴラン高原の占領地域に対するイスラエルの主権を認める宣言に署名した。
シリアは当時のトランプ大統領のこの決定について「主権の『明白な侵害』である」と表現した。
イスラエルとシリアは、現在も正確には戦争状態にあり、1967年の第三次中東戦争終結後、イスラエルが占領しているゴラン高原が事実上の国境となっている。
ロイター通信