


モハメド・アブ・ザイド
カイロ:ニューヨーク大学のマシュー・アダムズ氏とプリンストン大学のデボラ・ヤシャール氏が率いる、エジプトと米国の合同考古学調査団によって、世界最古とみられる大量生産型のビール醸造所が発見された。
この調査団は、カイロの450キロ南のソハーグ県北アビドスで作業している。
エジプト考古最高評議会のムスタファ・ワジリ事務局長は、「この工場はナルメル王時代に遡る可能性がある。長さは20メートルで、広い8区間で構成されている」と話した。約5000年前に造られたということになるだろう。
「各区間には、穀物と水を混ぜたもの加熱するために2列に配置された約40個の土器の池があり、ビールの製造部門として使用された」と同氏は話した。
「この工場は一度に約2万2400リットルのビールを製造していたことが研究で明らかになっている。エジプトの最初の王たちの葬儀施設内で行われていた王室の儀式を提供ために特別にこの場所に建てられたのだろう。これらの施設は、ビールがいけにえの儀式で使われていたという証拠を示している」とマシュー・アダムズ氏は話した。
アスワンの北、カイロの南600キロ南のタルエドフで16年間発掘作業をした後、シカゴ大学の考古学者らと研究者らは、この街の最古の生活様式と、食糧が生産されていたという証拠を示す複合施設を発見した。
この複合施設は、広大な広場と作業場に囲まれた2つの大きな泥れんが造りの建物で構成されている。これらの建物は、ピラミッドが造られた紀元前2400年頃、ファラオの歴史の中の古王国時代として知られている時代に遡る。
発掘調査によって作業場内の貯蔵容器や他の加工品が発見され、町の住民がこの場所でビールやパンを作っていたことが示された。
エジプトの考古学調査団が、アレキサンドリアの34キロ東のブハイラ県のTerogi地区でぶどう搾り器と貯蔵設備の一部、そして泥れんがの大きな壁と、工場に隣接する居住用建物を発見した。
古代エジプト遺跡部門を指揮するアイマン・アシュマウィ氏は、この建物は、内部には泥れんがの中、土台部分に石灰岩の小さくて均一なブロックと不均一なブロックが使われており、ワインを保存するための温度調節に使われていたのかもしれないと話した。