• 国連は、リビアで交戦中の両陣営を統一するため、暫定政府を通じ新たな取り組みを支援する

ミスラタ : 2011 年、革命が地域を席巻し、リビア人の若者 3 人が、ムアンマル・カッザーフィーの 4 年にわたる統治に反対する集団抗議行動に加わった。彼らは今、リビアの最前線に分断される中で生活する。彼らの未来は、蜂起によって取り返しのつかないものとなったのだった。

カッザーフィーの統治に反対する最初のデモは、2011 年 2 月 17 日、ベンガジ市東部で始まった。10 年が経ち、リビアは未だ敵対派閥により分断され、街には炸裂弾や銃弾の破片の跡が残る。

国連は、リビアで交戦中の両陣営を統一するため、暫定政府と年末の国政選挙を通じ新たな取り組みを支援する。しかし、リビア人の多くは懐疑的なままだ。

ベンガジの卒業生である、ウサマ・アリ・アル＝アグリ (Usama Ali Al-Aguri) は解雇された。2011 年、「私たちが苦しめられた、そして父や祖父から耳にした不正」と彼が呼ぶものを非難した時分のことであった。

2011 年夏、戦闘が広がり、彼はトリポリで攻撃に加わった。彼と仲間が攻撃の偵察に出かけた際、カッザーフィーの軍隊が彼らに狙いを定めた。

「私たちは、ひどい銃撃にあいました。私は足に銃弾を受けました」、と彼は話した。彼の仲間は命を落とした。彼は車いす生活となり、腰から下が麻痺している。

彼は、2011 年に指導者として現れた多くの人物を非難した。「革命は、今は墓の中にいる尊敬に値する人々の手から奪われています。」

国がさらなる分断に陥るにつれ、彼は、ハリファ・ハフタルを支持する東部からの多くの人たちに加わった。ハフタルは東部の軍隊の元帥で、トリポリの占拠を試みて、昨年失敗に終わった。

アル＝アグリは、彼の人生は怪我によって変わった、と話した。現在 34 歳で子供が 2 人いる、と彼は話した。彼は毎朝働きに家畜市場に行き、家畜の売買を行っている。

ヒシャム・アル＝ウィンディ (Hisham Al-Windi) は、カダフィーの下で成功した家族出身であった。彼の父は外交官であった。しかし、抗議に参加後、彼は、自分が警察に追われる立場であることを知り、チュニスに逃れた。

彼は、チュニジア南部に向かい、反乱軍が管理する国境検問所を通過し、西部山脈での戦いに参加した。「私は、数か月戦闘に身を置いていました」、と彼は話した。

アル＝ウィンディは、カッザーフィーのトリポリの屋敷を急襲した、初の戦士の中にいた。彼は、指導者の生活した部屋を歩き回り、リビア人であれば誰もが知っている物を見つけた。彼の錦模様の軍帽であった。

アル＝ウィンディは、テレビでインタビューを受ける日、その帽子をかぶり、未来への希望を表明した。そして、リビアの蜂起の顔として、瞬く間に世界的に知られることとなった。

「私がまず最初に言いたいことは、リビア人は、皆さんが思っているほど悪いわけではない、ということです。そしてまた、『カッザーフィーは終わりを告げ、そして私たちには再建が必要だ』と申し上げる次第です」、と彼は話した。

彼は現在チュニスで働き、変化に胸を膨らませている。

「周りの人は私に言います、『君は災害に巻き込まれたんだ。今はどうだい。』ええ、もちろん良くはありません。けれど、それはカッザーフィーか混沌かという選択をしかない、ということではありません。革命は過程です。私たちは、自分たちにふさわしい新しいリビアを作らなければならないのです」、と彼は話した。

ミスラタにいた、当時 20 歳のマレック・サレム・アル＝メジャエ (Malek Salem Al-Mejae) は、街がカッザーフィーの軍の攻撃を受けた 2011 年、戦い始めた。

その年の 7 月、彼もまた負傷し、その足を失った。

「私はトラックの荷台にいました。ミサイルが私たちの後ろに撃ち込まれたのです」、と彼は話した。「友人には命を落としたものもいました。私はチュニジアで治療を受け、リビアに戻ってきました。」

彼は、リビアが、この 10 年よりももっと大きく前進することを見たいと考えていた。そして、リビアの革命後の指導者が、国の統一に失敗したことを非難した。

「残念ながら、状況は、戦争後の 10 年間、皆さんが目にしている通りです。政治家は、仕事を任されてはいますが、基準には届かなかったのです。」

ロイター