• トルコは13人の警察官と治安部隊隊員を処刑したとして非難している

イスタンブール：トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、イラクで13人のトルコ人が死亡したことに対して、エルドアン大統領に個人的な責任があると主張した自らの主要ライバル野党を告訴した。

トルコで誘拐し、イラク北部の洞窟で人質にしていた13人の警察官と治安部隊隊員を処刑したことで、トルコは非合法武装組織のクルディスタン労働者党（PKK）を非難した。

しかし、トルコと西側同盟諸国からテロ組織に指定されているPKKは、先週トルコ政府が決行した救出作戦の間に投下されたトルコ側の爆弾で、この13人が死亡したと述べていた。

救出を試みた作戦が失敗したことで、2003年以降首相から大統領として、トルコを統治してきたエルドアン大統領には、政治的圧力がかかっている。

主要野党である共和人民党（CHP）のケマル・クルチダルオール党首は2月16日に議会で、「13人の殉死者が出たのは、エルドアン大統領の責任です」と発言した。

「あなたは作戦を決行しましたが、人質全員が死亡しました」と、クルチダルオール党首は発言した。

同党首のコメントはエルドアン大統領を激怒させ、同大統領の弁護士は現在、「精神的被害」を受けたとして、500,000トルコリラ（72,000ドル）を要求している、とトルコの公式通信社であるアナドル通信社が報じた。

野党第2党のクルド系の国民民主主義党(HDP)もまた、作戦が失敗したことでエルドアン大統領を批判し、交渉に当たれば、もっと効果的だっただろうと主張していた。

そして、エルドアンの所属する与党を昨年離脱した元首相、アフメト・ダウトオール氏も、この作戦を「失敗」と述べていた。「救出作戦において重要なことは、政治ショーではなく、命を救うことです」と、同氏は党大会で述べていた。

しかし、エルドアン大統領の政党と連立を組む右翼政党、民族主義者行動党（MHP）は政権の支持にまわった。

「トルコは（イラク北部で）PKKと闘うだけでなく、戦略的脅威とも闘っている発展中の国です」と、MHPのデヴレト・バフチェリ党首はツイートしていた。

トルコ軍は越境作戦と、イラク北部のPKK基地への空爆を定期的に実行している。

エルドアン大統領は17日、2015年7月にPKKとの停戦が破棄されて以来、国内で6,000人、国外で6,900人、合計12,900人以上のクルド人過激派が殺害されたと述べた。

40,000人以上の死亡者が出たと考えられている1984年以降、PKKはトルコに対して、反政府暴動を引き起こしてきた。

トルコの失敗した救出作戦により、アメリカとの間に外交論争も生じていた。アメリカは最初、この死亡事件でPKKを非難する前に、公式確認を待つと述べていた。

しかし、エルドアン大統領が「テロリスト」の味方をしているとして、アメリカを責めた後、アメリカ政府は後になってPKKを断固非難した。

AFP通信