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国連安保理、イスラエルとパレスチナの大使から批判を受ける

安保理は「平和を積極的に追求するより大きな義務がある」とパレスチナの国連常任オブザーバーは語る。
安保理は「平和を積極的に追求するより大きな義務がある」とパレスチナの国連常任オブザーバーは語る。
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30 Jul 2021 01:07:40 GMT9
30 Jul 2021 01:07:40 GMT9
  • イスラエル大使は、理事国は東エルサレムの状況ではなく、イランとハマスの活動に焦点を当てるべきだと述べた
  • パレスチナ代表は、国連安保理の「侵略や戦争時の限界」を嘆き、「平和を積極的に追求するより大きな義務」があると述べた。

エフレム・コサイフィ

ニューヨーク:国連安全保障理事会は水曜日、イスラエルとパレスチナの両国連特使から批判を受けた。

イスラエルのギラッド・エルダン駐米国連大使は、理事国が東エルサレムの状況を議論することに時間を費やしたことを非難するとともに、イラン及び同国がレバノン、シリア、イエメン、イラクなどの地域で引き起こしている危機を、ハマスの活動と合わせて議論すべきだと述べた。

「ハマスとイランの戦いは、中東を中世の闇から抜け出せなくしている」

同氏は安全保障理事会の会合の場で発言した。同会合では、5月のガザでの戦争後の人道的対応と復興活動、東エルサレムで続くパレスチナ人家族の立ち退きと家屋の取り壊し、汚職に対する抗議活動や、先月の政治活動家ニザール・バナート氏のパレスチナ治安部隊による逮捕とその後の死亡に対する抗議活動に対するパレスチナ治安部隊の暴力的な対応などについて議論された。

「今日はレバノンにおける危機について議論すべきではないのか?」同氏は15ヵ国で構成される理事会で問いかけた。彼は国連がイスラエルに偏っていると非難し、ユーディス・オッペンハイマー氏をブリーフィングに招いたことを批判した。彼女はイスラエルの非政府組織(NGO)であるIR AMIMのエグゼクティブ・ディレクターであり、同組織はエルサレムをすべての住民にとって安全で包括的な都市にするための運動を行っている。

「どんなNGOも国連安保理理事会に来てパレスチナ自治政府を批判することはできない」と、エルダン氏はイスラエルへの批判を受けて発言した。さらに、「世界で唯一のユダヤ人だけの国家に対する執着が、ベン&ジェリーズ(アイスクリーム)やユニリーバのような企業に、イスラエルへの反ユダヤ主義的なボイコットを押し付けたのだ」と述べた。

バーモント州の企業でユニリーバの傘下である「ベン&ジェリーズ」は先週、パレスチナ占領地で商品を販売しないことを発表し、それ(占領)は「自分たちの価値観と相入れない」とした。

エルダン氏は、UAEとバーレーンがイスラエルとの関係を正常化することに合意した昨年のアブラハム合意について、「ボイコットや安保理の干渉ではなく」、当事者が子供たちのためにより良い未来を築くために団結したときにのみ平和は実現する、ということを証明していると述べた。安保理が干渉しなかったからこそ、この合意が実現したのかもしれない、と言及した。

また、パレスチナの国連常任オブザーバーであるリアド・マンスール氏は、安保理について、「侵略や戦争時には限界がある」と批判し、そのような失敗が意味しているのは、安保理が「平和を積極的に追求するより大きな義務」を負っているということだと述べた。

同氏は「安保理はその目的地に至る道筋を分かっている。それは、国連安保理決議2334号などの安保理決議に記載されている」と述べた。2334号決議は、占領地におけるイスラエルの入植活動について、国際法の「明白な違反」としている。

マンスール氏は続ける。「理事会にはこの決議を実行するためのツールがある。この目的のために設立された『カルテット』というメカニズムがある。(この)理事会は、我々が今進んでいる道から離れ、安全な方向に向かうよう断固とした国際的行動を起こすためのカタリストとならなければならない」

また同氏は、オッペンハイマー氏とリン・ヘイスティングス氏(国連パレスチナ自治区調整官兼中東和平プロセス担当副特別調整官)による水曜日のブリーフィングの内容は、「正義と平和のための我々の集団的探求の中で、国際法とこの理事会の決議を支持するために国際的な行動が必要であること」を明確に示していると述べた。

同氏は理事会で、今回のベン&ジェリーズの決断を示唆しながら次のように述べた。「企業が理事会決議を実行するとき、彼らは批判されるべきではなく称賛されるべきだ」

また、同氏はこう付け加えた。「占領と平和は共存できない。占領と平和は共存できず、相互に排他的だ。平和を進めるためには、占領を終わらせる必要がある」

「(平和)に代わるものを挙げなければならない。グリーンラインの両側にあるアパルトヘイトだ」

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は、米国は引き続き2国家間の解決にコミットしており、「国連のフォーラムでイスラエルを不当に排除しようとする動きに反対し続ける」と述べた。

また、イスラエルとパレスチナに対し、「入植活動、領土の併合、立ち退き、取り壊し、暴力の扇動、テロ行為で投獄された人への補償など、挑発的な行動やレトリックを慎むよう、自制すること」を求めた。

また、国連加盟国、「特に湾岸諸国のパートナー」に対し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)へのコミットメントを強化するよう呼びかけた。

同氏は、パレスチナ難民の人道的ニーズを満たすために「たゆまぬ努力」をしている同機関のスタッフを称賛する一方で、同機関には「運営および管理面での改善」が必要だと述べた。

同氏は次のように述べた。「国連機関における反ユダヤ主義や人種差別、その他のヘイトに対して、米国は一切の容認しない」

「UNRWAが人間性、中立性、公平性、独立性という人道的な原則に沿ってその義務を遂行できることは極めて重要である」

また、同氏は、「パレスチナ自治政府がパレスチナ人の表現の自由を制限し、市民社会の活動家や団体に嫌がらせをしているという最近の報告」を受け入れがたいものだと述べた。

特に活動家のバナート氏の死を取り上げ、その経緯を調査し、責任者に責任を取らせるよう求めた。

オッペンハイマー氏はブリーフィングで、イスラエルによる取り壊しや立ち退きにフォーカスし、最近では「前例のないほど範囲と規模が拡大している」と述べた。

同氏は、シェイク・ジャラーやバティン・アルハワなどのコミュニティを含め、3,000人のパレスチナ人が大量追放の危機にさらされていると述べた。

「立ち退きを迫られている家族(の多く)は、1948年に家を失ったパレスチナ難民であり、今、2度目の立ち退きを迫られている」

「地政学的な意味合いだけでなく、これらの措置は、国際法で保護されている被占領地下の少数民族であるパレスチナ人の住居に関する権利、家族やコミュニティの生活に関する権利を著しく侵害している」

「イスラエル政府は、民主的な制度の枠組みの中で、自らの行動を合法的なものとして提示している。しかし、東エルサレムのパレスチナ人は、これらの制度にほとんどアクセスできず、彼らは政治的権利や、自分たちの生活を支配する立法・政策決定プロセスに参加する力を失っている」

国連のヘイスティングス調整官によると、5月の敵対行為後のガザの短期的な復旧・復興にかかる費用は、3億4,500万ドルから4億8,500万ドルと推定されている。

この状況に対処するための国際的な取り組みは進行中であるが、ヘイスティングス氏はイスラエルに対し、すべての人道支援のための自由な入国を確保するための追加措置を実施するよう求めた。

同氏はまた、ハマスやその他の武装グループに対し、「焼夷弾、ロケット弾、迫撃砲の発射を停止し、武装勢力の増強を終わらせること」を求めた。

同氏は、パレスチナ当局に対し、バナト氏の死や「パレスチナ治安部隊によるデモ隊への過剰な武力行使に関するすべての疑惑」について、徹底した調査を行うよう求め、責任者の責任を追及する必要があると述べた。

同氏はこう述べた。「パレスチナの人々は、表現、意見、平和的な集会の自由という権利を行使することができなければならない。恣意的で政治的な動機による逮捕はやめるべきだ」

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