Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • ロシアの戦闘機、トルコと米国の間に『新たな楔を打ち込む』可能性

ロシアの戦闘機、トルコと米国の間に『新たな楔を打ち込む』可能性

トルコ政府は、2019年に米国の戦闘機購入プログラムが停止されて以降、ロシアのSu-35や第5世代のSu-57の購入に関心を持つようになった。 (Reuters/File)
トルコ政府は、2019年に米国の戦闘機購入プログラムが停止されて以降、ロシアのSu-35や第5世代のSu-57の購入に関心を持つようになった。 (Reuters/File)
Short Url:
15 Mar 2021 02:03:21 GMT9
15 Mar 2021 02:03:21 GMT9
  • バイデン政権、モスクワとの軍事協力についてアンカラに圧力をかけることを示唆

メネクセ・トキヤイ

アンカラ:専門家の指摘では、ロシアが、要請があればSu-35やSu-57戦闘機の納入についてアンカラと交渉する用意があると公表したことは、米国とトルコの間にさらなる緊張をもたらす可能性がある。

トルコは先月、ロシアの防空システムを購入したことで中断されていた米国のF-35戦闘機プログラムの再交渉を求めて、ワシントンの法律事務所と契約している。ワシントンは、ロシアのS-400システムがトルコに存在すると、NATOシステムとの互換性がなく、F-35戦闘機がロシアの策略にさらされる可能性があるとしている。

トルコが以前に発注した約100機のF-35購入は米国によってキャンセルされたため、アンカラは他の調達先からの代替機を探すと共に、独自の戦闘機の製造にも注力している。

3月12日、ロシア軍事技術協力庁(FSMTC)のスポークスマン、ヴァレリア・レシェトニコワは次のように語った:「アンカラがロシアのSu-35とSu-57戦闘機の購入を計画している件につき、トルコ側は既に両機の技術仕様については完全に情報を得ている。もしトルコから両機の購入要望が寄せられれば、我々はこの問題について交渉する用意がある」

「トルコ側はかねてより、独自の第5世代戦闘機TF-Xの開発プロジェクトを実施する意向を示していた。ロシアは以前、このプログラムの下、協力の可能性を検討する用意があると示唆していた。

しかし、これまでのところ、アンカラから協力の要請は受けていない」とレシェトニコワは述べている。

分析官によると、ロシアが先週、アンカラにSu-57sに関する前回の決定を再考するよう求めたのは、トルコをワシントンから遠ざけ、関係の「再構築」を回避することを目的としている、とされる。

トルコ・ロシア関係の専門家であるアイディン・セゼルは、今回のロシアによるロシア製戦闘機の購入交渉の呼びかけは、モスクワとアンカラの軍事協力を西側諸国の課題としておくための戦術的な動きであると指摘している。

「トルコがロシアの戦闘機を購入しないことは、クレムリンもよく知っている」とセゼルはアラブニュースに語った。「仮に購入することになったとしても、受け取るのは早くても10年後になるだろうと述べ、ロシアは結局、トルコがバイデン政権との関係を断ち切るとの果たしていない約束を、トルコに思い出させたかったに過ぎない」と語った。ロシア軍事技術協力庁(FSMTC)は2月以降、アンカラに対してSu-35とSu-37の購入交渉継続を求める活動を強化している。

ロシアは個々の戦略的パートナーに、ロシアのマルチロールステルス戦闘機の最新世代とされるSu-57戦闘機の輸出版を提供している。

トルコは、2019年に米国の戦闘機購入プログラムが停止された後、ロシアのSu-35や第5世代のSu-57の購入に関心を持つようになった。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、2019年にモスクワで開催された国際航空フェアで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と共にSu-57を実地に検分している。

トルコのムスタファ・ヴァランク産業技術大臣は最近、トルコはロシアとの間でSu-35とSu-57の購入について議論することを躊躇しないと述べている。

「我々はX国やY国の戦闘機の購入には肯定的ではない。それが、現在の我々のニーズに合った戦闘機がロシアにあり、同機を我々のシステムに入れて運用することが難しくないのであれば、我々はもちろんロシア、あるいは欧州の他の国から同機を購入することを検討する」と、3月11日にスプートニク・ニュースに語った。

「これは、S-400の調達問題が発生し始めた2016年末から2017年初めにかけて、トルコの政府関係者が使っていたのと同様の言説である」と、防衛・軍事の研究者であるキャグラー・カークはアラブニュースに語っている。

「ヴァランク産業技術大臣は調達の決定に公式な責任は持たないが、トルコは再び米国に対してロシアカードを切ろうとしているように思われる。一方、ロシアは新たな売却の機会を探っている可能性がある」と述べた。しかし、カークは、今回は米国の立場が非常に明確であると述べている。

「トランプ政権時のような複雑なメッセージは無い。さらに、バイデン政権はすでにトルコと米国の関係は今後よりその都度の取引的なものになることを示唆しており、トルコがロシアとの重要な軍産協力を続けるならば、米国は圧力を強めることをためらわないだろう」とカークは述べている。

セゼルによると、トルコの最近の外交政策の動きは、ロシアの政策担当者を悩ませているという。

「アンカラは昨年、二つ目のS-400の購入を約束したが、2ヶ月経った今となっても、まるで以前の約束を突然忘れてしまったかのように、アンカラから交渉しようとする動きがない」と述べている。

特に人気
オススメ

return to top