Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 通貨危機と政治的膠着状態の中、母の日に嘆くレバノン人女性たち

通貨危機と政治的膠着状態の中、母の日に嘆くレバノン人女性たち

2021年3月20日、レバノンのベイルートにて、母の日を前に、政治的・経済的状況へのデモ行進に加わる女性たちが標識を掲げている。(ロイター)
2021年3月20日、レバノンのベイルートにて、母の日を前に、政治的・経済的状況へのデモ行進に加わる女性たちが標識を掲げている。(ロイター)
Short Url:
21 Mar 2021 08:03:40 GMT9
21 Mar 2021 08:03:40 GMT9

ナジア・フッサーリ

  • 母親たちは泣きながらスローガンを叫び、政治家たちの退陣を要求した
  • 主要なショッピングセンターにある衣料品店や香水店にはほとんど客がいなかった

ベイルート:母の日を前にした土曜日の午後、医師たちが新型コロナウイルスの感染拡大の危険性を警告しているにもかかわらず、街に繰り出す女性たちがいた。

数十人規模の抗議行動を引き起こしたのは、若者に移住を促す現状に対する母親たちの怒りだ。

ベイルートのベチャラ・アル・クーリ地区に集った母親たちは、ベイルートの繁華街や7ヶ月前に爆発事故が起こった港へと向かった。

彼女らはマスクをつけ、レバノンの国旗や横断幕を振っていた。

母親たちは泣きながらスローガンを叫び、政治家たちの退陣を要求した。

土曜日、ベイルートとその近郊の花屋の前には光沢のあるカラフルな紙に包まれた数十個の植木鉢が並べられ、抗議活動が行われた。その葉の中に記された価格は4万レバノン・ポンド(26ドル)だった。

ベーカリーやパティスリーの店先に並んでいたのは5万〜15万レバノン・ポンドのケーキだ。

レバノンでは春先の日曜日が母の日となる。母親や妻へのプレゼントに惜しみなくお金を使うのがレバノンの伝統だ。

だが、今年のお祝いは違う。例年と比べると、主要なショッピングセンターにある衣料品店や香水店にはほとんど客がいない。

サマールさんは「レバノン・ポンドで給料をもらっている人にとっては高すぎる」値段だと言う。「食べ物や赤ちゃんのミルクを見つけられたとしてもほとんど買えないのに、一体どうすれば給料の2倍の値段がするジャケットを母に買ってあげられるのでしょうか?また、どうすれば150万レバノンポンド以上する香水を母に買ってあげられるのでしょう?」

土曜日にはドルの下落が続き、10100〜11000レバノン・ポンドの間で取引された。

月曜日に行われるミシェル・アウン大統領とサード・ハリリ首相(候補)の会談の結果が待たれるが、あまり期待は持てない。

土曜日にミシェル・アウン大統領と会談したレバノン進歩的社会党のワリード・ジュンブラット党首は次のように述べている。「経済破綻の中でまったくの膠着状態に陥っています。飢えが人々の戸を叩き、和解が必要になっています。神は、私が人々に(状況の現実を)伝えたと証言してくれるでしょう」

法定の両替商も慎重になっている。

ベイルートの宝石店のオーナーであるビラル・ガンドゥールさんは次のように述べている。「土曜日、両替商はドル売りを控えていました。共和国宮殿での会議を受け、ドルの為替レートが上昇することを恐れて、月曜日はドルを買うだけにしていました」

ガンドゥールさんは店の売り上げは「非常に少ない」と言った。

「18カラットの金1グラムの価格は、土曜日の為替レートで42ドル、つまり46万2000レバノン・ポンドでしたが、最低5グラム以上での取引になります。非常に厳しい状況です」と彼は言う。

「ドルを持っている人は買えますが、そういう人は200〜300ドル以下の購入しかしません」

レバノンの両替商シンジケートは声明の中で、バンケ・デュ・リバンが電子プラットフォームを立ち上げ、銀行が法定の両替商と同様の通貨取引を行うことを認めたことを賞賛している。

ドルの為替レートが下落しても、市場での商品価格の下落にはつながらなかった。

ファーン・エル・チェッバクで商店を営むアントワーヌさんは「誰もがこれからの損失への補償を求めています」と言う。

タヨウネ・ロータリーで花や植物を売るモハメドさんは次のように述べている。「今年のチューリップの値段は3000レバノン・ポンドですが、昨年は7000レバノン・ポンドでした」

「昨年はシクラメンの値段が10000レバノン・ポンドを超えることはありませんでしたが、今は50000レバノン・ポンドします」と彼は言う。

「私たちが値段を吊り上げているわけではありません。人々は疲れています。人々の優先順位が変わり、花は贅沢品になってしまいました」

だが、チヤ地区でアイン・エル=レマネというパティスリーを経営するアリさんによれば、ケーキの需要には影響がなかったとのことだ。

彼はこのように言う。「50000レバノン・ポンドから95000レバノン・ポンドと、母の日に向けて甘いものの値段が相対的には上がりましたが、それでも売れています。服や香水、そしてもちろん金よりは安いというのが理由かもしれません」

特に人気
オススメ

return to top

<