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米国、新型コロナウイルス対策でパレスチナに1,500万ドルを拠出

リンダ・トーマスグリーンフィールド米国国連大使。(AP通信)
リンダ・トーマスグリーンフィールド米国国連大使。(AP通信)
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26 Mar 2021 05:03:39 GMT9
26 Mar 2021 05:03:39 GMT9

国連:米国は木曜日、新型コロナウイルス感染症対策として、ヨルダン川西岸地区およびガザ地区の弱い立場にあるパレスチナ人コミュニティに1,500万ドルを拠出すると発表した。パレスチナ人に対するほぼすべての援助を打ち切ったトランプ政権からの急激な方針転換となった。

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は、安全保障理事会で毎月開かれる中東会議でこの発表を行い、米国国際開発庁からの資金はカトリック救援事業会の「ヨルダン川西岸地区・ガザ地区の医療施設や弱い立場にある家庭に対する新型コロナウイルス感染症対応活動」を支援すると述べた。

トーマスグリーンフィールド大使はさらに、この資金は、パンデミックの影響で困っている地域への緊急食糧援助を支援すると述べた。

トーマスグリーンフィールド大使は、「この緊急で不可欠な援助は、パレスチナの人々に対する我々の新たな決意の一部だ。この援助は深刻に困窮しているパレスチナ人を助け、イスラエル人とパレスチナ人の双方にさらなる安定と安全をもたらすだろう」と述べた。

ドナルド・トランプ前米国大統領の下で、米国はイスラエルに前例のない支援を行った。エルサレムをイスラエルの首都と認め、米国大使館をテルアビブから移転させ、パレスチナとの関係を断ち切り、パレスチナ人への財政支援を削減した。トランプ政権はまた、パレスチナ人が領有を主張する土地におけるイスラエル入植地の違法性についても方針を転換した。米国は昨年のパンデミック中に約100万ドルの支援を復活させた。

1月20日にジョー・バイデン米大統領が就任した直後、バイデン政権はパレスチナ人との関係を回復し、パレスチナ難民への支援を再開すると発表した。これは、トランプ氏による切り捨てを撤回し、米国による二国家解決への新たな支持を意味する重要な要素となっている。

トーマスグリーンフィールド大使は、1,500万ドルの援助は「我々の利益と価値観に合致しており、世界的なパンデミックと食糧不安を食い止めるための我々の取り組みに沿ったものだ」と述べた。

トール・ウェネスランド国連中東特使は安全保障理事会で、「新型コロナウイルス感染症はパレスチナ人に壊滅的な影響を与え続けている」と述べた。

「公衆衛生への厳しい影響に加えて、繰り返されるロックダウン、学校閉鎖、商業活動の縮小により、生活環境が著しく損なわれている」とウェネスランド特使は話した。

先週の日曜日、パレスチナ保健省は発展途上国へのワクチンを提供する世界保健機関のCOVAXイニシアチブから61,400回分のコロナウイルスワクチンを受け取り、最初の接種を開始した。パレスチナ自治区がヨルダン川西岸地区に住む約300万人のパレスチナ人のために確保したのはロシアのスプートニクVワクチン1万回分とイスラエルから受け取った2千回分のみだったため、COVAXイニシアチブからのワクチンはヨルダン川西岸地区を後押しするものとなった。

一方、2007年にハマスの支配下に置かれて以来イスラエルとエジプトの封鎖下にあるガザ地区では、アラブ首長国連邦に拠点を置くマフムード・アッバース大統領の政敵からロシア製を中心に8万回分以上のワクチンを受け取った。

国連当局や人権団体は、イスラエルは占領国であり、パレスチナ人にワクチンを接種する責任があるとしている。イスラエルは、暫定的な和平合意の下ではイスラエルにそのような責任はないとしている。しかしイスラエルは、ここ数週間でイスラエルとヨルダン川西岸地区にある入植地での労働許可を得ているヨルダン川西岸地区在住のパレスチナ人労働者10万人以上にワクチンを接種した。

ウェネスランド特使は、国連とそのパートナーがパレスチナのワクチン接種活動を引き続き支援すると述べ、配送におけるイスラエルの重要な役割に感謝の意を表し、パレスチナにおける新型コロナウイルス感染症対応への支援を呼びかけた。

米国のトーマスグリーンフィールド大使は、イスラエルが火曜日に行われた直近2年間で4回目となる議会選挙の最終結果を待つ中で1,500万ドルの拠出を発表した。この選挙は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が起訴されている中で首相としての資質を問うものと広く見られていた。木曜日に行われた開票の結果、ネタニヤフ首相と右派の連立与党は議会の過半数を得ることができず、首相が勝利する見通しはなくなった。ネタニヤフ氏の反対派もまた、120議席あるクネセトの過半数を占めることができなかった。
米国の発表はまた、米国、国連、ロシア、欧州連合のいわゆる中東カルテットによる火曜日のオンライン会合に続いて行われた。このオンライン会合では、イスラエルとパレスチナが数十年に及ぶ紛争に対する二国家解決につながる交渉を行うための長期間停滞していた取り組みの再開について議論された。

中東カルテットとして知られる4つの仲介者の簡潔な声明によると、特使らは「パレスチナ人とイスラエル人の自由、安全、繁栄を前進させる具体的な措置を含む、本来持っている権利において重要な二国家解決につながる有意義な交渉に戻ること」を議論したという。

イスラエルとパレスチナの間では、2014年以降、実質的な和平交渉は行われておらず、紛争の核心的な問題をめぐって両者は激しく対立している。

トーマスグリーンフィールド大使は、中東カルテットの会合については言及しなかったが、バイデン大統領が二国家解決を支持していることを改めて表明し、「米国は、イスラエル、パレスチナ人、国際社会と協力して、長い間求められてきた中東の平和を実現するための活動を続けることを期待している」と述べた。

AP通信

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