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イランはIAEAと協力し、透明性を低める措置を撤回すべきだ-英仏独

国際原子力機関のラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長(右)は、イランのテヘランにあるエマーム・ホメイニー空港に到着するとすぐに、イラン原子力庁のベフルーズ・カマルバンディ報道官と会談する。(資料写真/イラン原子力庁 AP経由)
国際原子力機関のラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長(右)は、イランのテヘランにあるエマーム・ホメイニー空港に到着するとすぐに、イラン原子力庁のベフルーズ・カマルバンディ報道官と会談する。(資料写真/イラン原子力庁 AP経由)
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24 Feb 2021 06:02:38 GMT9
24 Feb 2021 06:02:38 GMT9
  • イランは核施設の国際査察の制限を正式に開始
  • グロッシー氏は、イランとのプロセスでは今のところ肯定的な結果は生まれていないと発言

アラブニュース

ロンドン:英国、フランス、ドイツは23日、現在課されている制裁の解除を米国が拒否したことを受け、イランがIAEAによる施設の査察を制限することを決めたことについて、「誠に遺憾だ」と述べた。

2015年のイランとの核合意に署名したこの欧州の3カ国は、「今回の決定の危険性を強調するために一致団結している」と述べた。

 「査察制限により、施設や保障措置情報へのIAEA(国際原子力機関)のアクセスは大幅に制限されるだろう」とその3カ国は付け加えた。

欧州諸国による今回の声明は、イランがIAEAによる施設へのアクセスを制限すると決めたことを、米国が22日に非難した後に出された。

「我々はイランに対し、透明性を低める全ての措置を中止・撤回し、IAEAとの全面的かつ時宜にかなった連携を確保するよう求める」と英仏独は述べた。

この3カ国は、自分たちの目的は、核開発計画の制限に関する合意と引き換えにイランへの経済制裁を解除した、包括的共同行動計画(JCPOA)として知られる2015年合意を維持することだと付け加えた。

米国が2018年にドナルド・トランプ元大統領の下でこの合意を撤回した後もこの合意にこだわった欧州の署名国は、「イランと米国が再び完全に順守することを可能にする、交渉による解決を目指して現在行われている外交努力を支持する」と述べた。

バイデン氏は、核合意を復活させる用意があることを示唆したが、同氏は、イランが先に核に関する全ての約束に戻ることを主張している。

バイデン政権は、妥協案を求めてEU主導のイランとの協議に参加する用意があるとしている。

イランは、21日にテヘランで行われた、政治的議論の土台作りを目的とした、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシー事務局長との会談の後、査察を制限しているのは、トランプ時代に課された制裁が解除されなかったからだと述べた。

英仏はグロッシー氏のテヘラン訪問に言及し、「我々は、特定の情報へのアクセスの可能性を最長3か月間維持する、 IAEAとイランが一時的に互いを理解して出した結論に留意する」と述べた。

昨年、保守派が多数を占めるイラン議会が指示した、IAEAの監視・査察体制の変更は、トランプ氏が2018年に核合意から離脱したのを受けてイランが取った一連の報復措置の中で最新のものだ。

22日、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ氏は、イランは必要ならばウラン濃縮度を60%に引き上げることも可能で、核開発計画に対する米国の圧力に屈することはないと述べた。国営テレビは伝えた。

これは、イランが2015年合意で受け入れた上限の3.67%を大幅に上回るが、原子爆弾の製造に必要な90%には届かない。

仏独英の外相は、「我々は……イランが今日、追加議定書と、包括的共同行動計画(JCPOA)に基づく、透明性を高める措置の停止を始めたことを誠に遺憾に思う」と述べた。

 IAEAはまた、イランの未申告施設に核物質が存在する可能性があることを「深く憂慮している」と述べた。

「未申告の核物質が、この未申告施設に存在している可能性があること、そしてそのような核物質を保障措置協定の下、イランが報告しないでいることを、当機関は深く憂慮している」と、AFPが見たIAEAの報告書には書かれていた。

「18カ月が経過したが、イランは核物質粒子の存在について、必要かつ十分で、技術的に信頼できる説明をしていない」とこの報告書には書かれていた。

問題になっている施設はテヘランのトゥルクザバド地区にあり、イスラエルは以前、秘密の核活動の施設と見なしていた。

関係者によると、この施設がウランの処理に使われた形跡はないが、2018年末には貯蔵に使われていた可能性があるという。

IAEAは、23日に発表した別の報告書で 、イランの現在の濃縮ウラン貯蔵量が、世界の列強と結んだ2015年合意で定められた上限の14倍以上に達していると明らかにした。

この報告書によると、2月16日時点でのイランの濃縮ウラン貯蔵量は、合計2967.8キログラムだ。

2015年合意で定められた濃縮ウラン貯蔵量の上限は、特定の化合物の形態で300キロ(660ポンド)で、これは化合物の形態でなければ202.8キロに相当する。

一方、IAEA事務局長は23日、週末にイランと結んだ取り引きについて話した。イランの核活動の監視は最長3カ月間継続し、データは収集されるが、IAEAは後からデータにアクセスすることしかできない。

IAEAのラファエル・グロッシー事務局長は、米国のシンクタンク「核脅威イニシアティブ」が主催したイベントで、「これは、監視を続け、この期間中に行われる主要活動を全て登録することを可能にし、最後にこれらの情報を全て回復できるシステムだ」と述べた。

「言い換えれば、起きたこと、製造された部品の数、加工・処理・濃縮された原料の量等々を正確に知ることができる」

 イランのモハンマドジャバド・ザリフ外相は、23日朝に新法が施行され、その下でイランは今後、核施設の監視映像をIAEAと共有しないと述べた。

ザリフ氏は、監視装置が記録した情報へのIAEAのアクセスについて、「我々は彼らに生の映像を見せたことはないが、(録画は)毎日、毎週見せた。我々の(核)計画を録画したテープはイランに残されるだろう」と述べた。

テヘランの民間原子力機関であるイラン原子力庁は、制裁緩和が認められた場合にのみ、テープを3カ月保存し、IAEAに渡すと約束した。そうでなければイランはテープを消去すると断言し、外交関係打開への道を狭めた。

(AFP、AP、ロイターと共同)

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