
ラマラ:パレスチナは29日、医療従事者や高齢者、慢性病患者にワクチン接種をする初期キャンペーンの拡大を助けるために中国から寄贈された10万回分のシノファーム製新型コロナウイルスワクチンを受け取った。
パレスチナの保健当局は、イスラエル、ロシア、UAE、そしてワクチン共同調達の国際枠組み「COVAX」から提供されるワクチンを使い、イスラエルが占領するヨルダン川西岸地区とガザ地区に住む520万人を対象に限定的なワクチン接種運動を開始している。
保険省が出した声明によると、これまでに6万9000人以上のパレスチナ人が1回目のワクチン接種を受け、約7600人が2回の接種を受けた。
イスラエルは、国内のワクチン接種運動の早さと効率が世界トップクラスであるのに、占領地域に住むパレスチナ人にワクチン接種を受けさせるためにもっとできることをしていないとして国際的に批判されている。
イスラエルへの入国許可証や、ヨルダン川西岸にあるユダヤ人入植地への立ち入り許可証を持つパレスチナ人労働者10万人以上にワクチン接種をしたが、パレスチナ自治区内のワクチン接種に関してはパレスチナ自治政府が全責任を負っている、とイスラエルは主張している。
中国の積み荷が到着した後、パレスチナのマイ・アル・カイラ保健相はヨルダン川西岸ラマラで、夜間外出禁止令や週末のロックダウンなどの最近行った規制が、患者でいっぱいになった病院に掛かる重圧を軽減するのに役立ったと話した。
「我々は、公的部門や民間部門、歯科医や薬剤師、(そして)人と直接接触する他の部門で働くクリニックの医療スタッフに対して(ワクチン接種を)継続する」とカイラ氏は話した。
パレスチナ自治政府(PA)は枠組み「COVAX」でパレスチナ人の20%をカバーするつもりだ。
PAの当局者は、ヨルダン川西岸地区全域と、ハマスが支配するガザ地区で接種率60%を達成するために追加のワクチンを調達したいと考えている。
保健当局は、パンデミックが始まって以来、新型コロナウイルスの感染者22万7808人、死者2511人を報告している。
ロイター