
アラブニュース
ロンドン:英国は、治安悪化の報告を受けて、シリアの収容センターに留置されている国民の本国送還するよう要請を受けた。
英国の慈善団体「Reprieve」は、元ダーイシュメンバーと共にキャンプに拘留された女性と協力し、強制的もしくは人身売買でシリアに連れてこられたと主張する女性たちの帰国措置を講じるよう英国政府に要請した。女性たちの多くには幼い子供がおり、テログループのメンバーではない。
「Reprieve」の要請は、米国とキャンプを管理している当局からの同様の要請に次いでいる。
「英国はかなり遅れをとっている。本国送還は道徳的観点から正しいだけでなく、キャンプと国自体の両方の面で、安全保障の観点からも正しいことだ」と、「Reprieve」のディレクター、マヤ・フォア氏は述べた。
「収容所の女性に関するメッセージを受け取るたびに、それがひどい知らせではないかと懸念している。女性たちが命の危険にさらされた場所に閉じ込められていることを知りながら、安心しては眠れない。」
「Reprieve」の支援を受けている匿名の英国人女性は、キャンプでのダーイシュに対する軍事作戦の報告を受けて、シリアのキャンプにいる自分の姉妹の安全を懸念しているとデイリー・テレグラフに語った。
「私の姉妹とその子供たちはおびえている。キャンプの状況はますます危険で不安定になっている。」と女性は語った。
「毎週、テントが燃え、女性と子供たちがダーイシュの支持者に襲われていると聞いている。恐ろしいことであり、警備員も苦労している。」
今週、シリア民主軍(SDF)は、シリア北部のアルホル・キャンプでダーイシュ過激派に対して大規模な軍事作戦を行った。
SDFは、61,000人以上を収容するとみられるアルホルへの襲撃で、密輸品と脱出トンネルを発見しただけでなく、53人のダーイシュ容疑者が拘束されたと述べた。
今年はこれまでに45人がキャンプで殺害され、ダーイシュ支持者による他者に対する暴力行為が日常化している。
「我々は、自国民を本国に送還し、キャンプの状態と安定性を改善するためにアルホルに一層多くの人道的支援が与えられるよう、諸外国に改めて要請する」とSDFのマズロウム・アブディ司令官がツイートした。
アルホルに英国市民が何人拘束されているかは不明だが、より小規模で安全なアルロイ・キャンプに15〜20人の英国人女性がおり、その多くには子供がいるとされている。
しかし、アルロイも危険であると言われており、別の女性が「Reprieve」に語ったところによると、最近のテントの火事で数人の子供たちがショック状態にあり、「テントのポール以外は何も残らなかった」とのことだ。
反ダーイシュ連合のジョン・ゴッドフリー米国特使は今週、「地元の協力軍の負担を軽減するために、自国民の本国送還を検討するよう各国に求めた。これは国際的解決策を必要とする国際問題である」。
英国はこれまで、イラクとシリアで英国人の両親から生まれた孤児を帰国させてきたが、そのほかは厳しく取り締まっており、国家安全保障を理由に、ロンドン生まれのシャミマ・ベグムを含む数人の市民権を剥奪している。