
エルサレム:2014年のガザ紛争以来、心的外傷後ストレス障害を患っていた26歳の元兵士が焼身自殺を図り、重傷を負ったことに、イスラエルは13日、衝撃を受けた。
Itzik Saidianさんは12日、テルアビブの近くにある負傷兵支援施設に行き、可燃性の液体をかぶり火を付けた。軍によると、「著しい心理的苦痛のため」だという。
Saidianさんは、テルアビブ近くにあるテルハショマー病院の集中治療室に運ばれた。同院によると、「全身に深い熱傷」を負っており、「重体」だという。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「とてもショックを受けて」おり、「障害を持つ退役軍人や傷痍退役軍人のケアの仕方を抜本的に見直していくつもりだ」と語った。
2014年にガザ地区で、イスラエルと、武装したイスラム原理主義組織ハマスとの間で紛争が起きた。この青年はそのときの軍務以来PTSDを患っており、心身の一部に障害があることを認められていた。
その紛争では、パレスチナ側は民間人を中心に約2250人、イスラエル側は兵士を主に74人が死亡した。
Saidianさんが焼身自殺を図ったのは、戦死した兵士や攻撃の犠牲者を追悼する、イスラエルの戦没者記念日の前夜だった。
この事件によって、負傷した兵士や精神疾患を抱えた兵士の支援制度に関する論争が巻き起こった。兵士の支援制度は、非効率的で官僚的だと見なされることが多い。
「彼は恐ろしいものを見たが、誰もアフターケアをしなかった」と、弟のAvi Saidianさんは病院で、涙ながらに記者らに語った。
ベニー・ガンツ国防相は、「この悲劇的な出来事の原因を究明するために、徹底的な調査を行う」と発表した。国防省は、「心的外傷を負った兵士の治療を大幅に改善する」ことを約束した。
イスラエルは、18歳になった国民に対し、女性には2年、男性には2年6カ月の兵役を義務付けている。
AFP