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サウジアラビアはいかにして新型コロナウイルスのパンデミックを乗り越えたか

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15 Jun 2022 02:06:12 GMT9
15 Jun 2022 02:06:12 GMT9
  • 屋内のマスク着用義務などの規制が緩和されたことは、コロナウイルスとの長い闘いにおける勝利の証
  • 準備と断固とした対応が、他国で大きな被害を出した新型コロナウイルス感染症の大流行からサウジアラビアを守った

ラワン・ラドワン(リヤド)

ジョナサン・ゴーナル(ロンドン)

6か月でなんと大きく変わったことか。月曜にサウジアラビアが閉鎖空間におけるマスク着用義務などの新型コロナウイルス感染症に関する規制を解除し、サウジアラビアの人々は歓喜した。

サウジ通信社(SPA)が内務省の声明を引用して伝えたこの発表は、1日の新規感染5,362人、ウイルス関連死2人で過去最高の新規感染者数を記録した1月12日以来、いかにサウジアラビアがパンデミック克服に成功してきたかを示している。

この最新の発表が具体的に意味するのは、予防措置の継続を希望する医療施設、公共のイベント、飛行機、公共交通機関、そしてメッカのグランドモスクとメディナの預言者のモスク以外では、屋内でのマスク着用義務がなくなるということだ。

内務省の声明によると、施設、イベント、活動、飛行機、公共交通機関に立ち入る際に、保健省公認のTawakkalnaアプリによるワクチン接種証明はもはや必要ない。

「妊婦だった時、ワクチンによって痛みが続きました。それで、医者からブースター摂取を受けないように言われたのです」と話すのは、最近第二子の健康な男の子を出産したラファ・アミンさん(33)。

「副反応があったので、ブースター摂取を受けるならリスクが高く、保健省が免除を認めてくれました。摂取対象外となるためには、迅速ながら冗長な手続きが必要で、当時私はイギリスに帰国していたのでとても厄介でした」

サウジアラビア当局がパンデミックに関する規制を緩和したおかげで、国をまたいでの移動がかなり容易になったと、彼女は言う。

サウジアラビアからの出国を希望する国民は3か月ではなく8か月後に3回目のブースター摂取をする必要がある。しかし、この新たな規定は16歳未満と保健省が接種を免除した人には適用されない。

サウジ通信社によると、同省はウイルスから自分の身を守るためのブースター摂取を奨励し続けるという。

保健大臣のファハド・アル・ジャラジェル氏は予防措置の解除に関するコメントで、王国のパンデミックへの対処は全世界への教訓となるもので、その核は人民を最優先することだと述べた。

この方針は、サルマン国王が政府に対し、国民、居住者、不法滞在の外国人を区別することなく新型コロナウイルス感染症患者全員を無料で治療するよう命じた日から明白だった。

オミクロン変異株の出現まで、2020年6月17日が国内における1日の新規感染者数のピークだと思われていた。この日の4,919人という数字には圧倒されるように思えたが、後になって見れば、これがサウジアラビアのコロナウイルスとの戦いの物語における大きな山場であった。

ある意味で2020年6月17日と2022年1月12日は、サウジアラビアが世界を打ちのめしたミクロの敵との戦いを振り返る上で重要な日だ。

3月2日に最初の新型コロナウイルス感染者が確認されて始まった闘いの流れは、2020年6月17日の後、王国に有利に転じたと言ってもいいだろう。

新型コロナウイルス感染症は2019年12月下旬に中国の武漢で出現した。数か月後、旅行が目まぐるしく活発な世界中で、新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」は急速に広まったが、サウジアラビアは3か月にわたってなんとか国内への敵の侵入を阻み、守りを固めるための貴重な時間を稼ぐことができた。

「感染の発生が少し遅かったので、我が国は他の多くの国々より幸運でした」と、公衆衛生担当副大臣のハニ・ジャクダル博士は2020年8月のリヤド・グローバル・デジタル・ヘルス・サミットで述べた。「これにより、世界で起こっていることを目にして観察し、体制を構築するわずかなチャンスを得ることができました」

サウジアラビアは新型コロナウイルス感染症検査のための研究所をいち早く設置した国のひとつであり、2020年3月5日以降、症状がある誰もが検査を受けられるようになった。続く5か月の間に、500万回以上の検査が行われた。今週火曜までに、4,290万回の検査が実施されてきた。

2月には、感染が確認されている国々との往来が速やかに制限され、3月15日までに全ての国際線の運航禁止に至った。その後まもなく、国内旅行も制限された。

そして2月27日に、サウジアラビアは外国人巡礼者へのウムラ(小巡礼)用ビザの一時停止という前代未聞ながら必要な措置を講じた。また、王国はモスクの閉鎖も率先して行った。

3月2日にサウジアラビアの防護はついに破られた。旅行の初めに既に感染が広がっていたイランを訪れたことを申告せずに、バーレーンから感染して帰国した2人の国民が原因だった。

それでも、湾岸協力会議に加盟する6か国の中で最も遅くウイルスに襲われたサウジアラビアは、迫りくる事態に対して多くの国々より準備が整っていた。

既存のものと、新たな病気に直面して迅速に開発されたものを含む多数のスマートフォンアプリのおかげで、国民や居住者は症状を報告し、オンラインの予約を取り、検査を利用することができた。

こういった技術はハッジ(大巡礼)の管理においても重要な役割を果たした。イスラム教の最も重要な聖地の守護者として、サウジアラビアは最初から、巡礼の効果的な管理に失敗した場合の自国、地域、全世界への影響を非常に良く認識していた。

国民と既に国内にいる外国人から選ばれる幸運な1,000人だけという前例のない制限を課す決断が下された。注意深いスクリーニング、監視、綿密な管理によって、注目すべきこの年にハッジを1人の感染者も出すことなく終えることができた。2021年の巡礼者の数は58,745人に達し、感染者は確認されなかった。

今年のハッジについて、サウジアラビアのハッジ・ウムラ大臣タウフィック・アル・ラビア博士は、多くの特別予防措置が講じられ、「依然として巡礼者の安全と彼らの自国への安全な帰還が優先事項だ」と述べた。

今年のハッジのための登録開始にあたって、ハッジ・ウムラ省は巡礼を以前に行ったことがない人々が優先されると強調した。同省はまた、Tawakkalna アプリのステータスに基づき、ワクチン接種を完了していない人はハッジの許可を得ることができないと述べた。

39万人以上の国内からの巡礼者が登録を行い、電子抽選が開始されており、選ばれた巡礼者に対しては登録デバイスにテキストメッセージが送られる。

サウジアラビアは今年のハッジ期間の人数制限を100万人まで増やし、パンデミック前の年間巡礼者数250万人に向かってゆっくりではあるが着実に進んでいる。

もちろん、サウジアラビアも世界も困難を脱したわけではない。しかし、世界で1日あたりの感染者数が上下し、2022年1月21日に過去最高の384万人に達して、火曜の時点で633万人の死者が確認されている中、サウジアラビアの1日の感染者数は対処可能な1000人あたりで推移している。

現在までに、サウジアラビアでは78万人以上のコロナウイルス感染が確認されており、そのうち76万人が回復済みで、死者は1万人未満だ。3,450万人の住人に対し、のべ6,650万回以上の新型コロナワクチン接種が行われた。

しかし、世界で最も有力な先進国を含む他の多くの国々がどれほどの苦境に見舞われたかに目を向けてみれば、もし準備と時宜にかなった断固とした対応がなければ、このひどい数年間が王国にとってはるかに悲惨なものになり得たということが分かる。

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