
Najia Houssari
ベイルート:レバノンにいるシリア人難民は、バッシャール・アサド大統領の任期が延びることが予想される選挙を前に、苦痛と失望を表明している。
シリア議会は5月26日を投票日として設定した。
2014年はアサド大統領がシリアで88%を超す得票率を獲得して勝利した。同大統領は来月行われる選挙への出馬を公式に発表していない。
シリア大使館が有権者登録を開始したというニュースを受け、レバノンにいる難民は失望に見舞われた。さらに彼らは、国際社会への不満を吐露した。
アブ・アフマド・スアイバ氏は、レバノンにあるボイス・オブ・シリアン・レフュジーズを代表して、「自由と尊厳を獲得する」ために革命は起こされたと述べた。
「バッシャール・アサドが再選されることではなく、権力の移行を求めた(国連)安保理決議の実現に失敗したことに対して、今日の私たちの失望は大きい」と、スアイバ氏はアラブニュースに語った。
レバノンのシリア人難民は、レバノンにたどり着いた後、ベカー渓谷や同国北部の国境に分布しており、アサド政権に対する革命に参加した人々の大多数は、アルサル地域に集中している。
「レバノンにいるシリア人は3つのグループに分けられます。1つ目は、革命前からレバノンに住んでいる家族で、反政府派とは関係のない人たちです。2つ目には反政府派が含まれ、樽爆弾による虐殺を理由に2013年と2014年にレバノンに移住した人たちです。3つ目は、反政府派も政権も支持せず、経済危機を理由にレバノンにやって来た、生活の確立や家族の養育を心配している人たちです」とスアイバ氏はいう。
国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) によると、レバノンで登録されているシリア人難民の数は、2020年12月末までに865,500人に減少した。
レバノンはUNHCRに対し、2015年の初めに難民の新規登録を一時停止するよう求めた。
近年、レバノン公安総局による本国送還の取り組み、さらには一部のシリアの町でヒズボラが後援する和解プログラムがあったことから、約55,000人がシリアに帰国した。
ヒズボラが委員会を設置し、投票日にシリア人難民を投票所に連れていくことに先立って、特定の地域にいる難民の数を人口調査用紙に記入するという噂が広まっている。
ヒズボラの人口調査の話は、レバノンにいるシリア人難民の数を計算するメカニズムを準備するために、内務省がUNHCRのデータを待っているという情報と時期が一致した。
同省は、社会問題省、レバノン公安総局、UNHCRと連携してこの任務を割り当てられた。
アラブニュースはUNHCRのリサ・アブー・ハリド報道官に問い合わせたが、同報道官はコメントを拒否し、「現在、難民の人口調査はない」とだけ述べた。
スアイバ氏は、特にレバノンとシリアの領土をつなぐ土地に通じるアルサル地域のキャンプや居住地にいる難民を対象に、約6週間前にレバノンの軍事諜報部監視のもとNGOが人口調査を実施したため、難民の数を数える必要はないと考えていた。
同氏はまた、シリア国内のダマスカスでも飢餓のニュースがあると話し、人々が必死になって逃げようとしているという暗い実態について説明した。
「燃料も電気もありません。子どもたちと一緒にレバノンに逃げてきた女性は、夫がシリア当局に逮捕され、その後どうなっているか分からないと私に話しました。彼女は子どもと一緒に餓死しかけていました。そして、子どもを連れてレバノンに逃げることを選び、密入国あっせん業者に支払う100ドルを借りました。彼女はレバノンなら食べ物を受け取ることができると思い、シリアの飢餓よりもマシだと思ったのです」とスアイバ氏は付け加えた。
UNHCRの調査によると、2020年時点でレバノンのシリア人難民家庭の89%が、極度の貧困状態以下で暮らしていたと推定されている。その前年の2019年は55%であった。