

ワシントン / エルサレム:米軍高官は4月22日、シリアのミサイルがイスラエルで爆発したことについて、意図的なものではなく、シリアの防空能力の欠如を示すものだと考えていると語った。
「今回の件は、実際のところシリアの防空能力の無能さを反映していると思います・・・私はそれが意図的な攻撃だったとは思いません」と、米中央軍司令官のケネス・マッケンジー海兵隊将軍は、上院軍事委員会の公聴会で述べた。
同日早く、シリアの対空ミサイルがイスラエル南部に着弾し、同国の最高機密である原子炉の近くで空襲警報のサイレンが鳴り響いた。これを受けて、イスラエルは近隣のシリアのミサイル発射装置と防空システムを攻撃した。
イスラエルのメディアはその後、今回のシリアのミサイルは「誤って」発射されたものであり、イスラエルの奥深くへの意図的な攻撃ではないと説明している。
近年、イスラエルは、アサド大統領の同盟国であるイランやレバノンのヒズボラとつながりのある軍事目標を含むシリアへの空爆を繰り返している。そして、このようなイスラエルの空爆は、シリアの対空砲火を常に招いている。22日の両国の攻撃のやりとりでは、シリアの発射体がイスラエルの奥深くに着弾したため、異例の事態となった。
シリアの国営通信SANAによると、この両国の攻撃のやりとりは首都ダマスカスの郊外にあるドゥマールへのイスラエルの空爆から始まった。ドゥマールには、イランが支援する民兵組織に属する基地や武器庫だけでなく、シリア軍の施設や砲台もあると考えられている。SANAは、4人の兵士が負傷したと伝えた。
英国に拠点を置き、シリア内戦を追跡している反体制派の戦争監視団体「シリア人権監視団」は、イスラエルの攻撃はシリア軍に属する防空基地に命中し、その地域の防空砲台を破壊したと述べた。この攻撃に対してシリア軍は地対空ミサイルを発射したという。
イスラエル軍は、核施設近くに着弾した発射体について、通常は軍用機やその他のミサイルへの防空目的で使用される地対空ミサイルだと説明した。
イスラエルの原子炉があるネゲブ砂漠の町ディモナは、ダマスカスから南に約300 kmのところにあり、誤って発射された地対空ミサイルにとっては、長い射程距離になる。
ロイター通信 / AP通信