
ハルツーム:エチオピアがスーダン政府とエジプト政府の合意を得ずに青ナイル川の巨大ダムに注水する計画を進めた場合、スーダンはエチオピアに対して法的措置を取る可能性があると警告した。
スーダンは、物議を醸しているダムについて協議するため、エチオピアを3カ国会談に招集したが、エチオピアが「異議」を唱えた、とヤセル・アッバス灌漑・水資源相はツイートした。
エジプト、スーダン、エチオピアは、2011年に建設を開始した大エチオピア・ルネサンスダム(GERD)の注水と運用に関して、10年近く結論の出ない話し合いをしてきた。
エジプト政府はこのダムを、自国の水供給の存続に関わる危機とみなしており、スーダン政府は、エチオピアが合意なしにダムに注水した場合に、自国のダムに被害が及ぶことを懸念している。
先週、スーダンのアブダラ・ハムドク首相は、アフリカ連合主催で最近行われた交渉で合意に至らなかったため、エジプトとエチオピアの首脳を非公開会議に招待した。
「エチオピアは、スーダンのアブダラ・ハムドク首相が3カ国首脳会談を招集したことに異議を唱えているが、それは正当化できないと我々は考えている」とアッバス氏はツイートした。
エチオピア政府は昨年7月、エジプト政府、スーダン政府と合意に達していないにもかかわらず、ダムの一部に注水したと発表した。第2段階は今年7月に予定されている。
エチオピアが注水を進めた場合、スーダンは、「ダムを建設しているイタリア企業とエチオピア政府に対して訴訟を起こすだろう」とアッバス氏は警告した。
訴訟では、「ダムの危険性だけでなく、環境への影響や社会的影響が十分に考慮されていないことが強調されるだろう」、と同氏は述べた。
スーダンとエジプトの関係は良好である一方で、両国の国境の近くにあるファシャガ農地の使用をめぐる論争でスーダンとエチオピアの関係にひびが入る中、ダムをめぐる緊張は起きている。
GERDおよび係争中の国境地域に関してエチオピアと調停をするという、アラブ首長国連邦による申し出を受諾した、とスーダンは3月に発表した。
アッバス氏によると、UAEの計画には、ファシャガ地域への投資機会や、「GERDに関する意見の隔たりを縮めるための非公式な取り組み」が含まれているという。
AFP