
アラブニュース
バグダッド:イラク人権委員会によると、イラクの首都にあるコロナウイルス集中治療室で日曜日に火災が発生し、45人が死亡した。イラクでは医療インフラが長期にわたって荒廃し、新型コロナウイルス感染者の増加に直面している。
火災の原因は、「酸素ボンベの保管ミス」による爆発だったと医療関係筋がAFP通信に語った。
市民防衛隊によると、「病院には防火システムがなく、つり天井だったことから、引火性の高い製品に火が移った」ため、火災は急速に広がったという。
イラクの病院は、数十年におよぶ紛争と貧弱な投資によって疲弊しており、医薬品や病床が不足している。
この事件を受けてソーシャルメディアでは怒りの声が上がっており、首相は火災原因の調査を命じた。
別の医療関係筋によると、深夜、アブン・アルハティーブ(Ibn Al-Khatib)病院の集中治療室に30人の患者と患者に付き添う数十人の親族がいる中、炎が複数の階に燃え広がったという。同病院は、バグダッドで最も症状が重い新型コロナ患者を専門に受け入れている。
ソーシャルメディアに投稿された動画には、バグダッド南東の郊外にある病院で消火活動に当たる消防隊と、建物からの避難を試みる患者やその親族が映っていた。
市民防衛隊は、「犠牲者の大半は、移動のために人工呼吸器を外したことが原因で死亡し、それ以外の犠牲者は煙で窒息した」と発表した。
市民防衛隊はイラクの国営ニュースに対し、隊員が現場で「120人の患者とその親族のうち90人を救出した」と述べたが、死者と負傷者の正確な数を明らかにすることはできなかった。
火災発生から数時間が経過するまで声明を出さなかった保健省は、「200人以上の患者を救助した」と述べ、正式な死者と負傷者の数を後ほど発表することを約束した。
この火災は、複数の情報筋によると、イラクにはびこる汚職にしばしば関連した過失によるものだとされており、即座に国内のソーシャルメディア上で怒りが爆発し、Twitterでは保健相の解任を求めるハッシュタグがトレンド入りした。
バグダッドのモハメド・ジャベル知事は、「仕事をしなかった者に法の裁きを受けさせるために、調査委員会を設置すること」を保健省に求めた。
イラク政府の人権委員会は声明の中で、この事件は「新型コロナウイルスで疲弊した患者に対する犯罪だ。彼らは保健省とその施設に命を預け、治療を受ける代わりに炎に包まれて亡くなった」と述べている。
人権委員会は、イラクのムスタファ・アル・カディミ首相に対し、ハッサン・アル・タミミ保健相を解任し、「裁判にかける」よう求めた。
カディミ首相はこれに対し、「保健省の責任者と共に即時の調査を行うこと」を命じ、「病院長に加え、警備と技術的メンテナンスチームの責任者を調査官のもとに送り、過失のある者が裁かれるまで釈放しないこと」を要求した。
首相はまた、3日間、国家的な喪に服すことを宣言した。
水曜日、イラクで新型コロナウイルスに感染した人の数は累計100万人を超えた。これは、アラブ諸国の中で最も多い感染者数となっている。
保健省は、2020年2月に国内で初めて感染が報告されて以来、1万5217人の死亡を記録している。
保健省は、4000万人の人口の中から、毎日約4万件の検査を実施していると述べている。
患者は可能な場合、混雑していて荒廃した病院に行くよりも、酸素タンクを調達して自宅で治療を受けることを好むことが多い。
イラクは先月から予防接種活動を始め、これまでに65万回分のさまざまなワクチンを受け取っており、その大半は寄付や中低所得国のワクチン調達を支援するCOVAXプログラムによるものだ。
保健省によると、水曜日の時点で27万4343人が少なくとも1回の接種を受けたという。
保健当局は、パンデミックが始まって以来、ワクチンに対する懐疑的な見方が広まっていることや、国民がマスクを着けたがらないことなどから、イラク人にワクチン接種を説得するために困難な戦いを強いられている。
* AFP通信