
エルサレム: エジプト当局によれば、パレスチナ自治政府はイスラエルが東エルサレムでの投票を拒否していることを理由に、15年ぶりの選挙を中止する予定であるという。
この決定は選挙の実施に関する事実上の拒否権をイスラエルに与えることになるかもしれないが、マフムード・アッバス大統領は投票の中止からメリットを得られる可能性もある。選挙では、分裂している自身のファタハ党が権力の座と、イスラム教武装グループのハマスに対する影響力を失うと予想されている。
エジプトのある外交官と諜報当局者は、木曜にパレスチナ派閥の会議で発表される予定のこの決定について概要説明を受けたと話した。彼らによれば、エジプトは投票を可能にする妥協点を見出すためイスラエルと協議しているが、これまでのところそれらの努力は失敗に終わっているという。
月曜の遅い時間、2人は匿名を条件にこの密室での協議について話した。
諜報当局者によれば、ハマスは選挙を進めることを望んでいるが、投票が東エルサレムで行われるという国際社会からの保証なしに進めるのは、どの派閥も望んでいないという。各派閥はその代わりに、ハマスも加わることになる統一政府を形成することを話し合っていると述べた。
パレスチナ選挙委員会によれば、東エルサレムの6,000人の有権者は過去の合意に従ってイスラエルの郵便局を通して投票用紙を提出する必要があり、一方でその他の150,000人の有権者は、イスラエルの許可の有無にかかわらず投票が可能であるという。
イスラエルの許可を必要とする少数の有権者が投票に決定的な影響を与える可能性は低いものの、彼らの参加は、東エルサレムに対するパレスチナの主張の維持にとって、象徴的な重要性を持つと見なされている。イスラエルは彼らに投票を許可するかどうか明らかにしていない。
またアッバス大統領にとって彼らは、同大統領のファタハ運動が大敗すると予想されている議会選挙を中止するための口実にもなる。ファタハ党は対立する3つの派閥に分裂しており、ハマスが議会で最大政党として浮上する道を開いている。
ハマスをテロリスト集団と見なしているイスラエルと国際社会も、投票の遅延や中止を静かに歓迎するだろう。
イスラエルは1967年の戦争で、ヨルダン川西岸およびガザと共に、東エルサレムを占領した。パレスチナ人は将来のパレスチナ国家のために3つの領土全てを望んでおり、東エルサレムをその首都とみなしている。
イスラエルは国際的に認められていない動きで、この都市の東側の部分を併合した。そしてエルサレム全体をその首都と見なし、パレスチナ自治政府がそこで活動することを禁じている。この都市の運命は平和プロセスにおける最も厄介な問題の1つとなっており、10年以上前から前進していない。
エルサレムでは最近、聖なるラマダン月期間中の集会の制限をめぐりイスラエル警察がイスラム教礼拝者たちと衝突したため、緊張が高まっている。
AP