
ナジア・フサリ
ベイルート:レバノンのキリスト教系政党は水曜日、ヒズボラによる国家支配を非難し、議会の総辞職を求めた。
ルネ・モアワド元大統領の息子であり元国会議員である「独立運動」指導者のミシェル・モアワド氏は、水曜日に記者会見で、「日を追うごとに我々は、犯罪、汚職、陰謀にまみれた政府を相手にしているのだとの確信が募っている」と述べた。
「レバノン国民は、国家と大国影響下の小国とを共存させていることへの代償を支払っているのだ」と彼は言い、ヒズボラに対して、「もう我々を放っておいてほしい」と主張した。
8月4日のベイルート港湾爆発事故を受けて国会議員を辞職したモアワド氏は、「マフィアや民兵組織から国を取り戻すには、すべての国境で主権を回復し、意思決定の支配権を奪還することが不可欠だ」と指摘した。
「一方の枢軸に属してもう一方に対抗することにどのような利益があるのか。我々を攻撃しない国々に敵対することにどのような利益があるのか。アラブ諸国や国際社会に敵対し、イエメンであれ、どこであれ、そこで戦うことにどのような利益があるのか。ロケット、ミサイル、薬物を輸出することにどのような利益があるのか。どのようにして生産的な経済を構築するのか。どのようにして国外のレバノン国民を守るのか」
彼は続けた。「主権とは、レバノン国家が自らの能力を使って領土全体への権限を行使することを意味する。つまり、防護領域や、難民キャンプ内外の違法武器、武器倉庫、ロケット、フーシ派や非フーシ派の訓練キャンプ、フェネチリン工場などがあってはならないということだ」
モアワド氏は、「マフィアや民兵組織と対峙して国家を取り戻すことに焦点を当てた、透明性のある有能で統一された野党の成立」を呼びかけた。
「レバノン軍団」党派の議員らは、マロン派のベハラ・アル・ラヒ総大司教との会談後に、国会議員選挙の早期実施を改めて呼びかけた。
セトリダ・ジェアジェア議員は、アル・ラヒ総大司教の中立の呼びかけへの支持を表明した。「我が国は、問題の多い地域に位置する小国であり、地域の紛争の只中に自らを置くことは賢明ではなく、アラブ周辺国や世界の友好国からの孤立を招いてしまう」
「与党が樹立するいかなる政府にも希望はなく、樹立したとしても前政権を忠実になぞったものになってしまい、そのような与党では真の改革は望めないことになる。それを解決するには、与党が我々を導いたこの悲惨な状況を受け、彼らの国家覇権を終わらせるために支配層を一新することにある。これは、実際にとり得る唯一の手段である議会選挙の早期実施を通して成し遂げることが可能だ」
カタエブ党政治局は、「混乱が支配する現在の状況は、マフィアと民兵組織のあからさまな結託を裏付けている。彼らはレバノンを破綻国家と化し、国家のアイデンティティーや歴史的役割を犠牲にして外国の利益となる政策へ引きずり込み、現在の危機の克服に力を貸してくれそうな国々から孤立させることで、さらに国家を抑圧しようと目論んでいるのだ」
「レバノンの議会がヒズボラの意向に屈服し、違法行為を防ぐこともできず、国家的な正当性を失っている限り、この状況は変わらないだろう」
国民自由党のカミール・シャムーン新党首も、「レバノンは問題を抱えている」と付け加えた。
アラブニュースは、元野党議員のファレス・サイード氏に対して、キリスト教系政党の取っているこれらの動きは、内戦時に結成された「レバノン戦線」と似通った新たなレバノン戦線を、政府当局とヒズボラに対して樹立しようとする試みなのではないかと尋ねた。
「これらの政党が取っている動きは自然なものだ。しかし、最大の目的は、イランによるレバノンの占領に終止符を打つこととするべきで、他はすべて、必要とされていることに比べれば取るに足りないものだろう」とサイード氏は答えた。
「ヒズボラに要求されているのは、憲法や国際的正当性決議に従って武器を引き渡すことだ。これは現在のところ実現可能ではなく、そのためにアル・ラヒ総大司教は、レバノンの中立性を確保するための国際会議を呼び掛けたのだ。これは、我々を望ましい解決へと導くことのできる真剣な提案だ。亡きナスララ・サフィール総大司教は、2000年にレバノンを占拠していたシリア軍の撤退を要求した。この要求は2005年に実現された」と彼は付け加えた。
キリスト教系政党がヒズボラからのレバノンの主権奪還を要求している中での「自由愛国運動」の立場に関して尋ねると、サイード氏は、同盟関係があるために、キリスト教政党の中にはまだ多くの支持者がいることは確かだとしながらも、「その同盟関係が崩れれば、政治的状況は変化する可能性がある」と述べた。