
ナクーラ:数ヶ月休止していた米国の調停によるレバノンとイスラエルの海上境界画定交渉が、火曜日に再開された。海底油田とガス田の探査を阻害しないためだ。
厳密にはいまだ戦争状態にある両国の交渉はレバノン南部のナクーラにある国連の暫定基地で開始されたとレバノン国営通信は報じた。
金曜、米国政府は、交渉は米国の外交官ジョン・デスロシャーの調停で行われると語り、交渉再開は「長く待ち望まれた解決への前向きな一歩」であるとした。
昨年、レバノンとイスラエルは直接ではなく、米国の調停を通した形で境界画定についての交渉に参加した。
だが、レバノンがカリッシュのガス田の一部を含むより広くの領域を要求した後、交渉は行き詰まっていた。カリッシュのガス田は、イスラエルがすでにギリシャの企業に探査の権利を与えている。
昨年の交渉では、2011年に国連に提示された地図に基づき、問題の海域のうち860平方キロ(330平方マイル)の領域を求めるレバノンの要求についての議論がなされるはずだった。
しかし、レバノンは地図は誤った計算でつくられたと主張し、南方にカリッシュの一部を含む1,430平方キロ(522平方マイル)の領土を追加することを求めた。
「交渉は停止したところから再開される」と、レバノン大統領の関係者は火曜、AFPに語った。
関係者によれば、イスラエルとレバノンはそれぞれ異なる境界画定を要求しているという。
「我々はイスラエルが求める境界は受け入れない。レバノンも我々の要求を受け入れない。調停役がどのような提案をするか、様子を見ることになるだろう」
先月、ミシェル・アウン大統領は議論の解決までカリッシュの探査を停止するようイスラエルに要求した。
2018年2月、レバノンはトタル、イタリア炭化水素公社(ENI)、ノバテクという大企業の連合と初めての4鉱区と9鉱区の石油とガスの海洋掘削契約を結んだ。
4月、レバノンは鉱区4の初期の掘削では微量のガスが検知されたが、商業的に採算の合うほどの量ではないと発表した。
レバノン内閣は2020年8月のベイルートでの大規模な爆発事件後に総辞職したが、政治的な分断は根深く、新内閣はいまだ樹立されていない。
レバノンの政治家はレバノン海域での商業的価値のある炭化水素資源が発見されれば国の多額の借金の負荷を軽減し、ここ数十年で最悪の経済状態から脱するために役立つと期待している。
AFP