
サイード・アルバタティ
ムカッラー:国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは7日、フーシ派により身柄を拘束されたイエメン人モデルが処女検査を強制されると見込まれると発表した。
アムネスティはフーシ派に対し、計画を直ちに中止するよう要請した。
「イエメン・フーシ派の事実上の当局は、エンテサール・アルハマディさんに処女検査を強制する計画を直ちに完全中止しなければならない」とアムネスティ・インターナショナル中東・北アフリカ支部のリン・マールーフ副理事は述べた。「アルハマディさんは、イエメンに深く根差した家父長制という社会規範に盾突いたとして当局から罰せられる予定です。家父長制は女性差別の根源となっています」
フーシ派は、自らの支配下にある地域のメディア支局やSNSユーザーが、アルハマディさんの件に関連する情報を報道・共有することを禁止した。
さらに、アルハマディさんの弁護団に対し国外メディアの取材を受けることを禁止した。
「フーシ派の事実上の当局は、根拠のない罪状を口実に人々を恣意的に拘留し、拷問を含む虐待を加えるという嘆かわしい行為を続けています。批判者・人権活動家・ジャーナリスト・宗教的少数者を口封じまたは処罰するためです」 とマールーフ副理事は付け加えた。
アルハマディさん担当のカーレッド・モハメド・アルカマル弁護士は、フーシ派検察官がメディア報道を禁じ、弁護士やいかなる人物に対してもメディア取材に応じるのを禁止したと述べた。
「今回取材に応じるのは法律違反です」とアラブニュースに語った。「しかし、彼女の釈放につながるのであれば問題ありません」
20歳のモデル兼女優アルハマディさんと他の女優2名は、2月20日映画撮影に向かう途中でフーシ派武装組織に身柄を拘束され、首都サナアの刑務所に収監された。
アルハマディさんたちを拘束したことで非難の声が巻き起こり、メディアが注目し、人権活動家たちはシーア派をテロ組織に指定するよう要求した。
メディア報道にいら立ったフーシ派は、アルハマディさんの釈放を命じた検察官を解任し、アルハマディさんを独房に入れ、アルカマル弁護士に訴訟を取り下げるよう圧力をかけた。
しかし、アルカマル弁護士は訴訟取り下げを拒否し彼女の釈放を求めた。さらにアルハマディさんは保釈中も常に泣いてばかりで、ハンガーストライキを実行すると脅してフーシ派に釈放を要求したという。
「私はアルハマディさんの弁護士ですから、最後の瞬間まで彼女の弁護を続けます」と付け加えた。アルカマル弁護士は、地元の他の弁護士たちも協力してアルハマディさんを弁護することに同意したと述べた。
フーシ派はアルハマディさんに対する明確な容疑を示していないが、地元住民によると身柄拘束はアーティストや女優に対する風紀取り締まりの一環で、男女が交流する場所も対象となっているという。
一方、国連のイエメン担当マーティン・グリフィス特使が戦闘終結のための和平への取り組みが崩壊しつつあると発表した数日後に、マアリブ・ジャウフ・フダイダ・タイズの各県で戦闘が激化した。
フダイダ県では政府軍がヘイズとフダイダ市内の係争地でフーシ派と衝突した、と地元メディアが7日報じた。
イエメンの西海岸を拠点とする主要3部隊で構成される合同軍は、フーシ派民兵68名が死亡し176名が負傷したと発表した。
2018年後半に調印されたストックホルム協定に基づき停戦協定が結ばれたものの、フダイダでの戦闘は止まる気配がほとんどない。戦闘による死傷者数を記録している地元人権団体によると、地雷や砲撃により民間人数百名が死亡したという。
マアリブ県では、フーシ派がマアリブ市に向け進軍する動きを見せたため、マシュジャとアルカサラで政府軍とフーシ派が衝突した、とイエメン国防省が7日発表した。
国営メディアは、フーシ派を食い止めるため戦場に向かう軍用車両数十台と兵士たちを映した映像を流した。
フーシ派がマアリブ県を掌握するため攻撃を再開した2月初旬以降、戦闘員数千名が死亡している。