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イラン、核合意交渉トップに反欧米のタカ派起用 合意復活への道のりに不安感

米国は2018年、トランプ前大統領の決定により当初の核合意から離脱し、イランに対する厳しい経済制裁を復活させた。(ファイル写真:AFP)
米国は2018年、トランプ前大統領の決定により当初の核合意から離脱し、イランに対する厳しい経済制裁を復活させた。(ファイル写真:AFP)
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16 Sep 2021 12:09:32 GMT9
16 Sep 2021 12:09:32 GMT9

アラブニュース

  • 2015年の合意で活躍したイランの交渉団トップが降格、後任は「外国の干渉」を非難する強硬派に

ジェッダ:イランは15日、同国の核開発問題に関する交渉団のトップを降格させ、後任に反欧米的なタカ派の人物を指名した。この人事はイランとの核合意の復活への道のりを不透明にするものと受け止められている。.

2015年の核合意でも重要な役割を果たしたアッバース・アラグチ氏は、今回の降格に伴い外務次官の任も解かれ、今後の交渉にはイラン外務省顧問としてのみ関わることとなった。

交渉を引き継ぐ後任の外務次官、アリ・バゲリ氏(53)はイブラヒム・ライシ大統領に近く、ライシ大統領が司法長官だった頃には彼の代理として国際問題を担当していた。

バゲリ氏は、イランの核活動を厳しく制限することや、「外国人」にイランの原子力発電所やその他の「機密施設」の視察を許すことを繰り返し批判してきた。

アナリストのメディ・ザケリアン氏は、バゲリ氏の指名により、イランの核政策はライシ政権に近い強硬派の手に委ねられることになったと指摘する。「ライシ政権において、現在交渉の中心にいる重要な人物は、イラン原子力庁のムハンマド・エスラミ長官と今回アラグチ氏を引き継いだアリ・バゲリ新外務次官です」とザケリアン氏は言う。

「バゲリ氏の任命は、西側への明確な警告とみなすべきです。アメリカが2015年の合意への復帰を遅らせれば、イランの新たな交渉グループは核合意の基盤そのものに対して疑問を投げかけ、イラン側の努力をすべて放棄してしまう可能性は十分あります。」

コントロールリスク(Control Risks)社のアナリスト、ニッキ・シアマキ氏は、バゲリ氏の登場で、米国との合意へのプロセスをより長引く可能性があると見ている。イラン政府が自らの利益にかなうと判断して合意に至る際の、要求水準が高くなることが予想されるためだ。

米国は2018年、トランプ前大統領の決定により当初の核合意から離脱し、イランに対する厳しい経済制裁を復活させた。

この措置に対してイラン政府は、合意の定める制限の多くから逸脱し、兵器級に非常に近い高純度のウラン濃縮を加速させている。

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