Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 国連事務総長: リビアの外国人戦闘員が停戦を違反している

国連事務総長: リビアの外国人戦闘員が停戦を違反している

アントニオ・グテーレス国連事務総長 (AP)
アントニオ・グテーレス国連事務総長 (AP)
Short Url:
16 May 2021 05:05:30 GMT9
16 May 2021 05:05:30 GMT9
  • アントニオ・グテーレス国連事務総長は、今年12月24日に選挙が実施されるためには、リビアの政治、経済、安全保障の各分野において進展が維持される必要があると語った

ニューヨーク: 国連事務総長は、外国人戦闘員や傭兵は昨年10月の停戦合意に違反してリビアに留まっていると述べ、撤退と国連武器禁輸の違反の終結を求め、リビアと周辺地域の永続的な平和のために、これらは「極めて重要な要素」であると語った。

アントニオ・グテーレス事務総長は、APの入手した国連安全保障理事会に提出した報告書の中で、3月に権力を握った新暫定政権への権力の円滑な移行は、「同国とその機関の再統合、そして永続的平和に新たな希望をもたらす」と述べた。

しかし、12月24日に選挙が実施されるためには、政治、経済、安全保障の各分野で進展が維持される必要があると語った。

リビアは、2011年にNATOの支援を受けた蜂起によって長期独裁者ムアンマル・カダフィの政権が倒されて以来混乱が続いており、またこの北アフリカの国を、首都トリポリの国連に支援される政権と、武装勢力や外国政府の支援を受ける同国東部を拠点とする対立政権とに分裂させた。

2019年4月、東部を拠点とするハリファ・ハフタール司令官とその軍隊は、トリポリを攻略しようとする攻勢を開始した。

14カ月にわたる同政権の戦闘は、トルコが数百人の部隊と数千人のシリア人傭兵で国連支援政権への軍事的支援を強化したため、崩壊した。90日以内にすべての外国人戦闘員と傭兵がリビアを出国するよう要求することが盛り込まれた2020年10月の停戦合意は、暫定政権と今年12月の選挙の合意を導いた。

国連は昨年12月に、リビアには少なくとも2万人のシリア、ロシア、スーダン、チャドなどからの外国人戦闘員と傭兵がいると推定した。しかし、4月下旬の非公式理事会議で講演者らは、13000人のシリア人と11000人のスーダン人を含む2万人以上の人数が未だに存在していると述べた。

グテーレス氏は新たな報告書の中で、停戦が継続する一方で、リビアの国連政治ミッションは、戦略的都市シルト(同国の主要油田および輸出ターミナルへの玄関口)とジュフラ間の主要ルートが通るリビア中部で、要塞および防御施設が設置されているとの報告を受けていると述べた。

事務総長は「各利害関係者の約束にもかかわらず、リビア西部および東部の各航空基地への航空貨物輸送が続いていると伝えられている」と述べた。「リビア中部では、外国人戦闘者やその活動はまったく減少していないとの報告もある」

グテーレス氏は、国家統一政府は、上級文民・軍人の任命、リビア軍の再統合のためのロードマップの作成、武装集団の拡散への対処を含む治安部門の改革を優先しなければならないと語った。

「世界最大規模の非統制の武器・弾薬を国家の統制下に置くことは不可欠である」と同氏は述べ、次のように続けた。

「私は、加盟国及びリビア国の利害関係者に対し、武器禁輸の違反を終結させ、外国人戦闘員及び傭兵の同国からの撤退を促進するよう再び求める」

先月安全保障理事会は、すべての外国人戦闘員および傭兵にリビアから撤退するよう促し、小規模の国連チームに停戦合意を監視する権限を与える決議を承認した。4月7日付の理事会宛書簡で、グテーレス氏は、UNSMILと呼ばれる国連ミッションの一環である段階的展開にあたり、当初最大60人の監視要員を派遣することを提案した。

新たな報告書の中でグテーレス氏は、リビアへの監視要員の派遣は、安全保障、後方支援、医療、および運用上の要件をカバーするための資金の国連総会による承認が条件であり、これは「近い将来」提出される予定であると述べた。

また彼は、人権侵害、特に移住者や難民の継続的な収容の問題を取り上げた。

国際移住機関の最新報告によれば、リビアには現在571,000人以上の移住者がいる。またグテーレス氏によると、5月2日現在4300人以上の移住者と難民が国内各地の収容所に収容されているという。

グテーレス氏は、リビア当局に対し、移住者と難民を収容所から「緊急に」解放し、彼/彼女らを性的暴力から保護するための措置を講じるよう要請した。

特に人気
オススメ

return to top

<