
サイード・アル・バタティ
アル・ムカッラ: イエメン中心部の都市マアリブの占拠を狙っていたイランに支援される武装組織フーシ派は、多数の死傷者と人員の離脱、イエメンの政府軍と同盟部族による強固な反撃に苦しみ、徐々に攻撃が弱まっていると軍関係者三名がアラブニュースに語った。
フーシ派はイエメン政府にとっては北部の最後の砦であるマアリブの占拠を目指し、二月から大規模な攻撃を仕掛けていた。マアリブには豊かな油脈、ガス田、大規模な発電所などがある。
フーシ派の攻撃により、何千人もの両軍の戦闘員が死亡。マアリブ市内と近郊の紛争地域からの大規模な住民の立ち退きへとつながった。
今週、イエメン軍当局は二月以来、初めてフーシ派の攻撃の勢いは大幅に弱まったと語った。フーシ派が戦場に送り込む戦闘員と軍装備品の数が減ったためだという。
「五月のフーシ派のマアリブへの攻撃は、四月に比べ勢いを弱めた」と、イエメン政府軍のアブドゥ・アブゥラー・マジリ報道官は火曜、アラブニュースに語った。
この四ヶ月、フーシ派は、戦略的に重要な都市の占拠はすでに悲惨なイエメンの人道的状況をさらに悪化させるという警告のもと、マアリブへの激しい攻撃を止めるよう呼びかける国内外からの声を拒絶し続けていた。マアリブには、現在、戦闘から避難して、もしくは町や村でのフーシ派の弾圧を逃れて移ってきた200万人以上が住んでいる。
イエメン当局はマアリブに駐在するフーシ派の勢いが弱まった要因は、多数の死傷者、激しい空爆、人員の損失、地域の部族が戦闘参加を拒んだことだと考えている。
イエメン陸軍軍事メディアディレクターのヤイヤ・アル・ハテミ大佐は、マアリブでのフーシ派の戦闘員死亡数の増加により、多くのイエメン人が政府軍を相手にした戦闘に参加するようにというフーシ派の呼びかけを拒否し始めたとアラブニュースに語った。
「フーシ派の(マアリブへの)攻撃は弱まっている。マアリブでの最近の戦闘で多数が死亡したことから、人々が戦闘に加わることを拒否しているためだ」と、アル・ハテミ大佐は言う。
アラブ連合の戦闘機はフーシ派の増援部隊や軍の拠点に空爆を行うことで、長年、フーシ派の地上での占領地域拡大を阻止してきた業績があるとイエメンの軍関係者は語った。
イエメン政府報道機関はフーシ派は4月13日に始まった聖なる月ラマダンの期間中、500人以上の戦闘員が戦場で死亡したと公式に発表したことを報じた。
フーシ派の報道によれば522人の戦闘員の葬儀が行われたようだとイエメンの人気ニュースサイトアル・マスドゥオンラインは報じた。そこには、4月13日から5月12日の間に政府軍との戦闘またはアラブ連合によるマアリブの空爆によって死亡した高位指揮官も多数含まれる。
フーシ派は、戦闘員が脱落し枯渇した戦力を補強するため、戦闘規模の大きくない戦場から部隊をマアリブに移動させたとフーシ派の占拠地域に情報源を持つ軍関係者はアラブニュースに語った。
「マアリブでの勝利を約束するフーシ派の発言が嘘だとわかった後、武器を捨てて家に逃げ帰った人がたくさんいる。マアリブで戦っていた人々の多くは他の戦場から連れてこられたのだ」と、報道関係者への情報提供の権限がないため匿名を希望する軍関係者は話す。
同時に、フーシ派はイエメン国内でのガザでのイスラエル軍の動向に対する憤りの高まりを利用しようとしているとイエメン政府と軍当局は警告する。この紛争を理由にして新たな戦闘員を確保しマアリブでの攻撃を再度強化するつもりだ。
「占拠されている地域の市民に対しては、フーシ派の搾取と誤った情報に騙されないようにと警告している。フーシ派はパレスチナ問題と占拠地域に住む忠誠心の強いパレスチナ人市民を利用してイエメン国内の戦闘を長引かせ、イエメン国民の殺害を続けることで政治的な利益を得ようとしている」と、イエメンのムアンマル・アルイリヤニ情報相はツイッターで発信した。
イエメン政府は再度、フーシ派がマアリブへの攻撃を停止せず和平交渉を拒絶し続ける場合、さらなる軍隊を投下すると警告した。
ジャン・マリー・サファ在イエメンフランス大使とのリヤドでの会合で、イエメン内閣代表スルタン・アル・バルカミ氏は、フーシ派が国連及び米国の仲介による和平協定とイエメン国民への攻撃中止要請を受け入れるまで、イエメン政府は軍による攻撃を強化する可能性もあると語った。