
シリア 、シャッダーディ—- イラク政府は初めて、来週、シリアに広がった難民キャンプから約100家族を本国に送還するものと見られている。米国当局はこの動きを希望が持てる兆候と見ている。若い反乱軍の流血の地と知られるキャンプから何千人も送還させるという取り組みが進展のないことに、長年不満を抱いてきたからだ。
中東地域を管轄する米中央軍のフランク・マッケンジー司令官(海兵隊大将)は、金曜日にシリアを非公式訪問し、アル・ホル・キャンプからの移動があるだろうという楽観的な見方を示した。マッケンジー司令官は、キャンプの若者が過激化しており、次世代の危険な過激派になるだろうと警告してきた。
同司令官は、シリアへの移動に同伴した記者に対し、「これは多くの本国送還の第一段階で、アル・ホル・キャンプ、また、実際この地域全体の他のキャンプの人数を減らす鍵になる」と話した。司令官はシリアで軍隊と指揮官に会う。「各国は自国民を取り戻し、社会復帰させ、必要に応じて急進的立場を放棄させ、社会の生産的一員にする必要がある。」
米国の高官は、シリア北東部のキャンプからの人の移動は、将来の外交・軍事関係に向けたビジョンを作成すべく、米国・イラク間が話し合っている問題のひとつであると述べた。それは、マッケンジー司令官が非公式にバグダットに立ち寄った木曜日の会合の時のことだ。その高官は匿名を条件にして内部の審議について口を開いた。
イラクの指導者は、今年の早い段階で、一部の国民の強制送還について触れたが、実行していない。そのため、来週の計画については多少の疑念も持たれるが、現状打破の第一歩となるか、一度きりのことになるかは明確にはわからない。
アル・ホル・キャンプには70,000もの人々がいる。そのほとんどが女性と子供で、シリアの内戦とダーイシュグループとの戦いで住処を奪われた人々だ。その半数の人々がイラク人である。約10,000人の外国人が安全な別棟に住んでいて、キャンプにいる多くが頑固なダーイシュの支援者だ。
過激派が2014年にいわゆるカリフを宣言した後、ダーイシュに参加するために世界中から集まった自国民の本国への送還を多くの国が拒否してきた。ダーイシュの物理的な領土の保持は2017年に終了したが、多くの国がダーイシュとのつながりを恐れ、自国民の本国への送還を躊躇している。
3月下旬、米国が支援し、クルドが率いるシリア北東部の主力部隊が、米軍の力を借りて、アル・ホル内の5日間の一斉捜査を行った。少なくとも125人の容疑者が逮捕された。
マッケンジー司令官が金曜日に語ったところによれば、それ以降、キャンプの安全性が向上した。しかし、安全性はそこでの若者の過激化には何の影響力もないと言い添えた。
司令官は、トルコ国境からそれほど遠くないシリア北東部の基地に立って「それが私の懸念だ」と言い添えた。「ダーイシュがここの若者に近寄り、接触し、変える能力—— 元通りにする方法を見出すことができなければ、この先我々は痛手を負うことになる。」
マッケンジー司令官がシリア東部の4ヶ所の基地に立ち寄り、奔走している間のそのメッセージは短く、直接的なものだった — 米国軍はシリアに留まり、ダーイシュの残党と戦うからには、過激派が再結集する可能性はない。地域のダーイシュは、特にユーフラテス川の西側で依然として活発だ。それは統治されていない広大な領域にあり、バシャール・アサド大統領が率いるシリア政府の支配下にある。
その地域とキャンプには、ダーイシュを生みだす貧困と派閥主義という内在的条件が依然として揃っていると、英国のリチャード・ベル陸軍准将は話した。ベル陸軍准将はイラクおよびシリアの対ダーイシュ連立戦線の司令副長官で、マッケンジー司令官と一緒に移動していた。
マッケンジー司令官は、「ダーイシュグループには、米国本国を攻撃するという野心的な目標があり、私たちはそれを阻止するため」、ダーイシュグループに圧力をかけておくのは重要だ。
安全上の理由により、自分たちが国を離れるまでシリアの移動に関する報道はしないことに同意した共同通信とABCニュースの記者に対し、同司令官は話した。彼が話している間に、M-2ブラッドレー戦闘車の列が背後にできた—— 北部で米国が去年体験したロシア部隊との衝突を想起させるものだ。当時、マッケンジー司令官はさらなる部隊と装甲車を要請し、ロシアの攻撃を回避した。その攻撃は、米国の主張によれば、米国とシリア民主軍の巡回に対するものであった。
しかし、司令官の言葉によれば、それは同時に、米国がシリアにおける任務に継続的に取り組み、ダーイシュに対する闘いでシリア民主軍を支援していることのあらわれでもあった。
「私の後ろのブラッドレー戦闘車を見てください。たった今、私たちが訪れている基地を見てください」とマッケンジー司令官は述べた。「これは私たちの取り組みのれっきとした証拠だと思う。」
しかし、司令官は、米国部隊の滞在期間を質問され、すばやく、ジョー・バイデン次第だと述べている。
バイデン大統領はアフガニスタンからの完全撤退を既に命じているが、シリアの1,000の米国部隊、イラクの2,500の部隊の撤退については、これまでのところ、ほとんど話していない。シリアに米国軍が配置されているのは、在外アメリカ軍の態勢見直しの一環だ。
AP