• 失業率は世界で最も高く、人口の半分以上が貧困ライン以下の生活を送る

ハゼム・バロウシャ

ガザ市：アラー・アル・バンナ氏は、コロナウイルスによるガザ地区のロックダウンで被ったビジネスの損失を回復するために、イード・アル・フィトルのシーズンを待ちわびていた。

アル・バンナ氏は新しく商品を購入し、倉庫に入れてシーズンを待っていた。しかし、ロックダウンが解除された数日後に、イスラエルによるガザ攻撃が始まった。

香水とアクセサリーの店を経営するこの29歳は、アラブニュースの取材に対し、「私の希望をすべて打ち砕くような打撃でした」と語った。

アル・バンナ氏の倉庫は、イスラエル軍の戦闘機で破壊されたアル・ショルク・タワーにあった。同氏は自身の損失を10万新シェケル（3万700ドル）と見積もる。

アル・ショルク・タワーはガザ市中心部の最大の商業市場にある。ここには数百もの企業が入っていたが、その多くが全壊または半壊した。

国連の発表によると、ガザにおける初期の物的損失は数百万ドルにのぼるという。ガザへの空爆により、工場や同地区の工業地帯などの産業施設に約4000万ドルの被害が出たほか、エネルギー分野は2200万ドル、農業分野は2700万ドルの打撃を受けたとのことだ。

ガザ地区の経済は、これまでの攻撃や長年にわたるイスラエルの封鎖によって壊滅的な打撃を受けている。

失業率は世界でも最も高く、人口の半分以上が貧困ライン以下で生活している。国民のほとんどが、清潔な水、安定した電力供給、適切な衛生ネットワークへのアクセスを欠いた状態だ。

2007年から2018年にかけて、ガザ地区の貧困率は40％から56％に上昇した。貧困格差は14％から20％に上昇し、人々を貧困から救うための年間コストは2億900万ドルから8億3800万ドルと4倍になっている。

アル・バンナ氏は、自宅の周りの瓦礫を撤去した後、仕事に戻ることを楽しみにしている。「他に選択の余地はありません。また働かなければ。元の生活に戻れるように頑張ります」。

彼はイードの後に結婚するつもりだったが、ビジネスで損失を被ったことにより、当分の間、その計画を保留せざるを得なくなってしまった。

「家と仕事を失ってしまい、少なくとも1年ほどは結婚することができなくなりました」と、同氏は付け加えた。

経済学者のオマール・シャバン氏は、攻撃の経済的影響は長期にわたり、特に長年の暴力の後では、回復にはしばらく時間がかかると国民は感じていると述べた。

「経済が大きな損失を被ったのは今に始まったことではありませんが、この問題の難しさは瞬間的に訪れたものではありません。経済の現実は何年も前から厳しいものです。外部からの資金調達や安全保障上の安定性がなければ、回復には何年もかかるでしょう」とシャバン氏は付け加える。