アラブニュース

• 米政府高官、シリアの反政府勢力支配地域への外部支援のライフライン更新を求める声を支持
• 反ダーイシュ連合の責任者は、ISISは依然として「断固たる敵」であり、イラクとシリアでなすべきことはまだたくさんあると発言

ロンドン：米国国務省の高官は、シリアへの国境を越えた支援を認めている国連の措置の延長を求める声を支持し、「より大きな人道的大惨事を避けるためには重要である」と述べた。

アラブニュースが金曜日に参加した記者会見では、ジョーイ・フッド国務次官補代理（近東担当）が、シリアの人道的・政治的状況に関する米国の見解を説明した。また、軍事的にもイデオロギー的にもダーイシュの残党に立ち向かうことが引き続き重要であると述べた。

「米国は、ダマスカスからのクロスライン支援を含む、シリア国民へのあらゆる形態の支援を支持している」とフッド氏は述べた。

クロスライン支援とは、政府側から反政府側へと、紛争の前線を越えて支援が行われることを意味する。

「実際、クロスライン支援だけでは、現在のシリアのニーズに応えることはできない。国境を越えた支援は、より大きな人道的大惨事を回避するために不可欠だ」と同氏は語っている。

このような理由から、米国は国連安全保障理事会が承認したシリアへの国境を越えた支援活動をさらに1年間更新する取り組みを全面的に支持しているとフッド氏は述べている。

しかし、安全保障理事会で拒否権を持つロシアのプーチン大統領が、首都ダマスカスからシリア北部に支援物資を届けることができると主張し、国境を越えた支援活動の重要性に疑問を呈したことで、この支援活動の将来性が疑問視されるようになった。ロシアはアサド大統領の長年の同盟国であり、戦争中は軍事的にも政治的にもアサド政権を支援してきた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は金曜日、「理事会の承認を延長できなければ、壊滅的な結果を招く」と警告した。

また、フッド氏は、米国は援助物資を安全に届けるために全国的な停戦を支持しており、「シリア国民の苦しみを軽減する」と会見で述べた。

また、米国は「シリア民主軍と協力して、ISIS（ダーイシュ）を打倒することを唯一の目的とし、同グループが解放した地域を安定させるために、（シリアの）北東部に限定的な軍事的プレゼンスを維持する」とも述べた。

フッド氏は、「シリアとその周辺地域の安定は、すべてのシリア国民の意思を反映した政治プロセスによってのみ達成される」とし、「我々は、同盟国、パートナー、国連と協力して、永続的な政治的解決策が手の届くところにあることを確認することを約束する」と述べている。

また、「国際社会は、シリア国民の保護、尊厳、人権を確保するという共通の目標を新たにしなければならない。この分野での進展なくして、紛争の持続的な終結はあり得ない」と語った。

ISIS打倒グローバル連合事務局のパトリック・ワーマン事務局長代理は、ダーイシュが領土的に敗北したにもかかわらず、「依然として断固たる敵である」と警告しており、「イラクとシリアではまだやるべきことがたくさんある」と述べている。

同氏は、ジョー・バイデン政権はダーイシュとの戦いを終わらせることを約束しており、それは他の国、特にダーイシュ系のグループが力をつけてきた西アフリカやサヘルでの影響力の増大に対抗することにも及ぶと述べた。

米国は、イラクのダーイシュに対する反乱作戦への支援を継続し、ダーイシュの「堕落したイデオロギー」に対抗するためには地域社会への働きかけが必要であると同氏は述べている。

「安全保障に加えて、ISISの残虐行為の犠牲者や紛争の影響を受けた人々の回復を助けるために、残された人道的安定化と早期回復のギャップに対処し、ISISの勧誘と復活の能力を最小限に抑える必要がある」とワーマン氏は述べた。

「この民間の努力の一環として、ISISのメンバーがその犯罪に対して責任を負うことを確実にし、コミュニティベースの和解を促進することは、ISISのメッセージ性に対抗し、ISISの堕落したイデオロギーに対抗するために重要である」。