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バグダッド:イランを後ろ盾とする何千人ものイラク民兵が土曜日に、戦車やロケット発射筒といった軍用装備や戦闘員たちのパレードを実施し、軍事力を誇示した。
イランとの国境近く、バグダッドの東に位置するディヤラ県の旧米軍基地で実施された今回のパレードは、ダーイシュと戦う「ハシドシャービー」の結成から7年目を記念するものだった。
ムスタファ・アル・カディミ首相は両脇を民兵組織司令官らに守られながら、数百台の装甲車両が、昨年米国の無人機攻撃で殺害された民兵組織司令官アブ・マフディ・アル・ムハンディス氏を称える横断幕の前を通り過ぎるのを見守った。
「私はあなたの犠牲、そしてイラク軍の犠牲に敬意を表します」とカディミ首相は述べたが、民兵組織集団の「扇動」行為に対しては警告を発した。
パレードの数時間前に、イラク領クルディスタン北部の都市エルビルを標的として爆発物搭載ドローン3機が飛来した。そのうち2機が住宅を損壊し、1機が不発に終わった。米国は、「イラクの主権に対する明らかな侵害」としてこの攻撃を非難した。
ここ数ヵ月間、イラク内の米軍関連施設が繰り返し、人民動員隊からの攻撃の標的となっていたが、ドローンを使用しての攻撃は比較的新しい。イラク国内には、ダーイシュと戦う多国籍軍のメンバーとして2500人の米兵が配属されており、今年に入ってから米国関連物を標的とした攻撃は43回に及んでいる。
そのうちほとんどは兵站部隊の車列を爆破するものだったが、14件は、米国に全軍撤退の圧力をかけることを目的とした親イラン民兵組織によるロケット攻撃だった。
4月には爆発物を搭載した1機のドローンが、イラク領クルディスタン自治区首都エルビルの空港の軍事施設内にある多国籍軍のイラク本部を襲った。ドローンは防空技術を回避できるため、この新たな戦術は多国籍軍にとって頭痛の種となっている。
5月にも爆発物搭載のドローン1機が、米軍の駐留するアイン・アル・アサード空軍基地を襲った。6月9日には複数の爆発物搭載ドローンが、米兵の配属されていたバグダッド空港を標的に飛来し、そのうち1機がイラク軍によって迎撃された。
同日のそれより前にも、米国の防衛関連業者が拠点としていたバラド空軍基地に5発のロケット弾が撃ち込まれたが、死傷者や建物の被害は出なかった。
イラクの人民動員隊(PMF)は、主にイランを後ろ盾とするシーア派民兵を中心に、スンニ派イスラム教徒、キリスト教徒、ヤジディ教徒などの民兵組織からなる国が統括する組織だ。
人民動員隊は、シーア派の最高聖職者アリ・アル・シスターニ師が、イラクの3分の1を占拠していたダーイシュに対して健康な肉体を持つすべてのイラク人は武器を取って戦うべきだと呼び掛けて結成された。
ダーイシュが2017年に敗北して以来、人民動員隊の最大グループであるハシドシャービーが、軍事力、政治力、経済力を拡大し、イラクに残留する2500人の米軍の駐留基地を攻撃してきた。
彼らは議会や政府に支持者を持ち、安全保障機関を含むいくつかの国家機関を掌握している。
これらの派閥はまた、2019年末に街頭でイラク支配層の解任を求めるデモを実施した活動家たちを殺害したとして非難されている。組織は活動家殺害への関与を否定している。
親米の暫定首相であるカディミ氏は、最大勢力の親イラン派閥を厳しく取り締まろうとしてきたが、強い軍事力を持ち政治的影響力もある彼らを制御できずにいる。
親イラン民兵組織が人民動員隊のメンバーであるという事実が、カディミ首相や国家治安部隊にとって、それらの民兵組織の力を削ぐことを困難にしている。彼らは実質的に、国家の一部となってしまっているからだ。
(ロイターとの共同)