
ナジア・フッサーリ、ベイルート
レバノンでは火曜日、抗議活動参加者が路上にバリケードを張り、議員が議会に入るのを阻止した。汚職を犯した高官に恩赦を与えることにつながる可能性のある法律を制定しようとしていると議員を批判しているのだ。
怒りが爆発した現場で、抗議活動参加者は機動隊と小競り合いになった。また人間の盾を作って、議会の閉鎖は2週間目に入っている。
抗議活動は10月17日、増税と政府の汚職に対する怒りが広まったことを受けて始まり、ミシェル・アウン大統領とヒズボラへの支援にも関わらず、サード・ハリーリー首相は12日後に辞任に追い込まれた。
その後レバノンの主要各派閥は、政治家以外の専門家からなる新政権を樹立するという抗議活動参加者の要求を飲もうとせず、政権樹立に必要な新首相も決まっていない。
ハリーリー前首相は、政権樹立のために再指名を受けようと、抗議活動参加者が重視する要求を受け入れ、新政権はテクノクラートのみで構成されるべきとしたが、アウン大統領と同大統領に同調する勢力は、政権はテクノクラートと政治家の両方で構成されるべきだと主張している。
火曜日議会前で衝突が起きたことを受けて、議会のナビハ・ベリ議長は「状況は極めて危険です。政権樹立が行き詰まる危険があります」と述べた。
火曜日議会に通じる道路の合流点には軍隊と国内の保安部隊が配備され、未曾有の保安体制が敷かれた。
保安部隊は中が見えない通路を設置し、議員が議会に入れるようにした。ヒズボラのアリ・アンマール議員は、人だかりになって「泥棒」と叫ぶ抗議活動参加者の間を通ってオートバイで到着した。
ベリ派のモハメド・ナスルッラーフ議員も徒歩で到着した。
アリ・ハッサン・ハリル財務大臣の護衛に付き添った部隊は、抗議活動参加者が近寄れないように、空に向かって発砲した。同大臣は議会には到着できたが、発砲を受けて怒ったデモ参加者は車に向かって石を投げた。
抗議活動参加者は、議会周辺に入ろうと有刺鉄線のバリケードを除去しようとしたが、保安部隊によって押し戻された。
「どうしてこれまで私たちの要求を聞き入れていないのですか」と、抗議活動に参加していたマルワさんは叫んだ。「抗議活動は1ヶ月も続けていますが、聞き入れてもらえません。政治家は普段通り権力を行使し続けてようとしています。私たちはそれを許しません。仮にそれによって死ぬことになったとしても」
リヤード・アル=スルフと殉教者広場に集まった抗議活動参加者は金属鍋を打ち鳴らし、反政府のシュプレヒコールを上げた。
「政治家は公金の泥棒であり略奪者です。彼らは一般恩赦法を制定して逃げ道を探っていますが、私たちはその法案の通過を許しません」と1人の抗議活動参加者は語った。
議会のいくつかの派閥では、「人々の意思を尊重するために」審議をボイコットすることを決めたと、ディマ・ジャマリ議員がTwitterで発表した。
未来運動、ファランヘ党、マラダ運動、ナジーブ・ミーカーティー元首相の派閥、及び民主連合所属の議員60人以上が、今回のボイコットに参加した。
議場には4人の議員しか集まらず、議会のアドナン・ダヘル事務総長は2時間後に審議の延期を発表した。
ナスルッラーフ議員は、議会は「抗議活動の要求に応えるための法案や提案を議題として、運動の要求に応えようと責務を果たして」いると述べた。
抗議活動に参加しているマフムード・ファキ氏は『Arab News』に対して、抗議活動参加者は「首相を任命して見慣れた政治家の顔ぶれではなくテクノクラートからなる国家救済政府を樹立するための法的拘束力のある議会での審議」の日付を設定するよう当局に対して要求を続けていくと語った。
同氏は、「抗議活動には圧力がかかっており、今後その圧力は増すかもしれません」と語る。「当局は抗議活動参加者の間で仲間割れを引き起こそうとしてくる可能性があることを私たちは把握しています。その可能性があることを念頭に置いておくべきです」