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トルコと米国、謎に包まれた逃亡者の引き渡しを巡って対立

アンカラで護衛に立つトルコの警察官。(AP資料写真)
アンカラで護衛に立つトルコの警察官。(AP資料写真)
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05 Jul 2021 08:07:09 GMT9
05 Jul 2021 08:07:09 GMT9
  • コルクマズ(Korkmaz)氏は、獄中からトルコ人記者に対して、自国で裁きを受ける方がいいと語っており、同氏は自国でもやはりマネーロンダリングや詐欺の容疑で指名手配されている

アンカラ:米国での訴追を避けるために自国への帰国を希望する、逃亡中のトルコ人実業家は、潜在的な地政学的問題をはらむ機密を携え、月曜日にオーストリアの裁判所に出廷する予定である。

実業家であるセズギン・バラン・コルクマズ(Sezgin Baran Korkmaz)氏の関与が暗示されるスキャンダルは枚挙にいとまがなく、ドナルド・トランプ前米国大統領の政権初期にさかのぼる。

また、スキャンダルには興味深い顔ぶれの仲間たちも関わっており、そのなかにはユタ州の一夫多妻制宗徒のジェイコブ(Jacob)およびアイゼイヤ・キングストン(Isaiah Kingston)氏の2人や、米国の文書ではレヴォン・テルメンジヤン(Levon Termendzhyan)という名であるカリフォルニア州を拠点とする燃料会社のオーナーなどが含まれる。

米連邦検察当局は、コルクマズ氏が、自身がトルコとルクセンブルグで管理する銀行口座を通じて、詐欺の利益による1億3300万ドルを超える資金のロンダリングを行ったと主張している。当局は、コルクマズ氏と共犯者たちがこの資金を使って、トルコの航空会社であるボラジェット(Borajet)、トルコとスイスにある複数のホテル、クイーン・アン号と呼ばれるヨット、イスタンブールのボスポラス海峡が見渡せるヴィラやアパートを購入したと非難している。先月公表された優先起訴状では、コルクマズ氏はマネーロンダリングの計画について1件、有線通信不正行為について10件、公務妨害について1件の訴因により起訴されている。

同氏は、6月19日にオーストリアが国際的な逮捕通知に基づいて行動した際に逮捕され、月曜日に裁判所に出廷する予定であると、同氏の弁護士がTwitter上で述べた。

アメリカの検察当局は、彼が米国で裁かれることを望んでいる。獄中からトルコ人記者に語ったところによると、コルクマズ氏は、むしろ自国で裁判を受けたいと語っており、同氏は自国でもやはりマネーロンダリングと詐欺の容疑で指名手配されている。同氏は、自身に対する申し立てを否定している。

米国当局者は、コルクマズ氏がトルコに送還された場合、トルコ政府が同氏を引き渡す可能性が低いことを認識している。

その理由の大部分は、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領が、2016年に失敗した自身に対するクーデターを企てたと信じる、米国在住のトルコ人聖職者の引き渡しを米国政府が拒否していることにある。

長引く法廷闘争は米国・トルコ関係の緊張に拍車をかける可能性があり、両国の関係はエルドアン大統領が未遂に終わった反乱を切り抜けた後に悪化し始めたものである。

組織犯罪・腐敗報告プロジェクトは、トランプ氏がホワイトハウスに就任した最初の年に、トルコ政府がトランプ氏に取り入ろうとする試みに、コルクマズ氏が一役買っていたことを突き止めた。

調査グループは3月にもまた、拘束された米国人牧師アンドリュー・ブランソン氏のトルコからの解放を取り付けることを求めるトランプ氏と関係のある米国人のための2018年の旅をコルクマズ氏が手助けしたと主張している。

この牧師の行く末はトランプ氏にとって大きな問題となり、同氏は2018年末にブランソン氏が最終的に解放されるまで、彼を米国・トルコ関係の前面に押し出していた。

アナリストは、国内の支持率低下に直面しているエルドアン大統領が、外国からの投資を確保し、経済成長を促進できるように、外交問題を解決しようとしているさなかに、コルクマズ氏の事件が起きたと指摘している。

AFP

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