ベイルート:ダーイシュの家族も収容するシリアの北東部にあるこの難民キャンプでは、1カ月間に8件の殺害事件があり、1月以来何十件もの殺害事件が発生したと、クルド人民防衛隊が6日語った。
クルド人民防衛隊は、主に女性と子供たち約6万2千人が住む、広大なアルホル難民キャンプ内での安全を維持することに奮闘してきた。
国連は、難民キャンプ内で起きている過激化について警告を発してきた。このキャンプはシリア人、イラク人の他、別区画に1万人ほどのダーイシュに関係した外国人女性や子供を収容している。
6月、アルホル難民キャンプに住むダーイシュの分子が、「グループの過激な教義になじめない住人の殺害に拍車をかけた」とクルド人主導のシリア民主軍が語った。
シリア民主軍によると、シリアとイラクの国籍を持つ8人が銃殺され、その中には16歳のイラク難民や17歳と23歳のシリア人姉妹も含まれていた。またロシア人女性も負傷した。
6月には、国籍の異なる42人の男女と43人の子供がキャンプから密かに逃げ出そうとして拘束されたと、シリア民主軍が続けた。
シリア民主軍は4月初旬にも、ハサカ県にあるアルホルでの治安回復作戦で125人のダーイシュ容疑者を拘束している。
その当時は、年初から3カ月の間に47件の殺害事件が発生していた。
シリアのクルド人は、2019年にダーイシュが最後まで支配していた地域から彼らを追放し、何千人ものダーイシュと思われる戦闘員を収監し、家族を難民キャンプに収容してきた。
クルド当局はこれまで何度か国際社会に対して、自国民の引き取りを要請してきたが、ほとんどの国は数人の子供を除いて引き取りを拒否している。
難民キャンプの外では、先週赤十字国際委員会が、クルド当局が「何百人という子供を」成人用拘置所に収容していることに対して警鐘をならした。
これに対しクルド側は、過激派に関係した未成年者のリハビリテーション施設の増設に向けて、国際社会の援助を要請した。
ダーイシュは2014年にシリアの大部分と隣接するイラクを制圧したが、その後いくつかの軍事攻撃を受けた後、2019年にシリア東部の領地から敗退した。
しかし、過激派のスリーパー組織は今でもシリアとイラクで定期的に攻撃を仕掛けている。
AFP